先日も軽く触れましたが、ここしばらくアメリカのドラマ「スーパーナチュラル」にはまっている篠崎。
この作品は2005年から放映されていて、現在シーズン5まで終わっています。日本でのレンタルが9月から開始したので、次話が待ち遠しいじれったさを感じつつも、日々を過ごしています(笑)。
当初は悪魔退治といったテーマがほとんどだったのですが、主人公の家族に纏わる悪魔との関係性が明かされてからは一転、善と悪の対立という話に変わっていきました。
シーズン2では主人公であるサムと兄ディーンの父親が、家族の身代わりとなって地獄に堕ち、今度はシーズン3でサムを救う為に、ディーンが地獄に堕ちるという話があります。
それなのにこの世に戻って来れちゃうあたり、ちょっとアメリカならではのご都合主義を感じずにはいられないのですが──;
この作品の面白さは、前回も記事にしたように
アメリカと日本における善悪概念の差を感じるところです。
特に「悪魔」という考え方は、キリスト教圏では強いように感じます。日本の場合、そこまで徹底した悪という存在は描かれていません。鬼子母神や疫病神など、「悪しき者」とされるものでさえ「神」としてしまう辺りに、日本の特質を感じずにいられない程です。
ただ、「地獄」という概念については、東西共通しているから不思議です。
この理由は私が思うに、当時、現実的に「まさしく地獄」と思わずにいられないような光景が、ここ彼処にあったからではないでしょうか。
悪魔というのは、「絶対的な悪」としての前提知識がない以上、そうそう生まれて来ません(キリスト教における悪魔誕生の由来となった前提知識は、言うまでもなく「唯一絶対神」の存在です)。
しかし地獄というのは、現実の中でいくらでも目の当たりにする時代だったのでしょう。
戦争、飢餓、洪水、噴火など、昔はふとした折りにそうした惨状を目にする機会があったのかもしれません。少なくとも、江戸時代は何度もそうした自然災害があった程ですから。
勿論、キリスト教圏であるヨーロッパも例外ではありません。概ねヨーロッパで、ヴァンパイア伝説や魔女などの伝奇が誕生した背景には、ペストの大流行や戦争などがあったりします。多くの人達が死んでいく惨状を前にして、人々の心に「地獄のような恐怖」として刻まれた可能性は十分に考えられます。
東西共に共通しているのは、「地獄は、罪を犯した人達が堕ちるところ」というものです。
これもまたそうした現実における地獄のような光景を見た人達が、その危険から少しでも遠ざかりたいが為に、心の中で慰めとして造りだした仮定なのかもしれません。
霊界の著述を多く残したスウェーデンボルグは、著作の中で
「地獄というものはある。しかし、私たちが考えているようなものではない」ということを述べています。
すなわち、地獄というのは「罪を犯した人達が罰せられる場」ではなく、
その世界を望んだ者達が、望んで向かう場所だと説明しています。
要するにそれは、
棲み分けの世界とも言うことが出来ます。
例えば──そうですね、卑近な例ですが……賭け事と酒と女が好きな(笑)人がいたとしましょう。
その人にとって居心地の良い場所は、「賭け事が出来て、酒が飲めて、女がいくらでも抱けるところ」だとします。
そういう世界には、勿論同じような霊が寄ってきます。
賭け事と酒と性行為三昧となった場合、そこにあるのは「混沌」です。その世界は、どう考えたところで統制が取れるものにはなりにくいでしょう。
一方、規律を重んじ、酒も飲めない──賭け事なんて何が楽しいのかわからない、なんて人がいたとします。
趣味は読書で、世の中の森羅万象に思いを耽るような人が、前者のような賭け事と酒と女の世界に閉じこめられたら──どう思うでしょうか?
「何だ、この地獄は!」そう思うかもしれません。
でも、前者の人にとってそこは「絶対的な天国」なはずです。
逆に、その人を後者の人が望むような、とても規律的でアカデミズムの雰囲気漂う世界に入れたとしましょう。
賭け事もなく、酒もなく、女はいても性的な魅力に欠ける──そんな世界に閉じこめられた前者の人は「出してくれ! こんな地獄は勘弁だ!」そう叫ぶかもしれません。
要するに、地獄というのは
相対的で、決して絶対評価出来るものではないのだろう──私はそう思うのです。
マオリッツオ・カヴァーロ氏は、クラリオン星人から「地獄というのは人間が造りだした世界で、そういうものは実際にはない」と聞いたそうです。
ある意味それも、一理あるでしょう。人間のエゴ、欲求がなければ、自ずとそうした棲み分けの世界も存在しなかったのでしょうから。
自分自身の心の在り方がどうであるか──それがひとえに、死んだ後の自分の居場所を決めるのかもしれませんね。
さて。あなたは今、どんな思いの中で生きていますか?
●多くの方に、「真剣な目で地球人類の進化に意識を向けて欲しい」と、強く願っています。
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