暴力的なのは、『一体どっち』?

 最近、やたらに「宇宙人に地球が征服される」といったドラマや映画が増えているように思えます。その上、こういった大衆文化に毒されてか、「宇宙人=征服者」と見る人も増えてきています。スピリチュアル系のブログでも、UFOコンタクティー系列や宇宙人系列のブログを批判したり、中傷しているものも目にします。

 そういう記事やドラマを見るたびに悲しく──また、情けない思いでいっぱいになります。
 私たち地球人は、自分たちがしてきたことを忘れてしまっているのでしょうか? 自分たちが争いごとを起こし、誰かを憎み、悪口をいい、文句をはき続けて来たことを棚上げしているようにさえ見えてしまいます。

 私たちの誰一人として、この地球上で起きている哀しい事件や戦争、紛争、飢餓に対して無関係な人はいません。
 私たちは「個々人」として相対的な意識の中に閉じこめられていますが、その相対的意識を包み込んでいるのは壮大な地球の意識体だからです。
 「すべての人は、神の一部である」というのは、逆を返せば「神は、すべての人から成り立っている」とも言い換えることが出来ます。
 要するに、この世界で起きるすべての出来事に対して、私たちは魂の一部分で関わっているということになるのです。

 だから私たちは、世界の果てで起きている悲しい事件や紛争、飢餓、すべてのことを無視出来ないのです。
 何故なら、「そこで飢えているのは、自分」でもあり、また同時に「その人を飢えさせているのも、自分」だからです。

 それこそが、「ワンネスの本当の意味」なのだと、私は解釈しています。

 本当のスピリチュアリストであれば、地球のどこかで起きている悲しい事件の被害者にも──また同時に加害者にもなれる視点を持っているでしょう。
 侵略された国々の人達の悲しみに触れると同時に、剣で命を引き裂く重みと血の匂いも感じるでしょう。
 また逆に、大いなる愛で誰かを癒し、救おうとした人の視点に立ったその時、同時に救ってもらった人の喜びと感動に立つことが出来るでしょう。
 「両者の視点に立てる」──どのような地球の意識とも共感出来るというのが、「ワンネスのこころ」です。
 そうした視点に立った場合、地球で起きた「悲しい侵略事件」は、「自分とは関係ない」「私が生きていた時代に起きたことではないから、無関係」「私だったら、こんな残酷なことはしない」と言って無責任ではいられないはずです。

 地球上に生きている以上、かつて起きた惨劇の責任も、自分たちにあるのだから。 
 
 宇宙人だけでなく──他の国の人々や、異なる価値観を持つ人達をやたらに敵視する人達は、そうしたワンネスの視点には立つことが出来ない人々なのでしょう。
 いつでもこころの中に「自分とは切り離された、自分とは別の敵」が存在するから、「戦うこと」しか意識出来ないのかもしれません。手を取り合って調和をとり、平安を築き上げることよりも、敵をねじ伏せて安心することしか考えられないのかもしれません。
 でも、それで得られる安心は、一時でしかないでしょう。敵は「外部」にあるのではなく、「自分の内部にある」ということに気づかない以上、戦いは「永遠に終わることがない」のですから──。

 宇宙人を悪役に仕立て上げ、さも地球人が「憐れだけど、政略に屈しない被害者」というように描いていても、実際にはその悪役に投影されているのは私たち地球人が歴史の中で行ってきた侵略に他なりません。地球人が本当に「平和を求め、調和を愛する人達」であるのなら──そうした歴史を築いてきたというのなら、最初からこのような暴力的発想自体が、生まれてこないはずなのです。
 こうした「宇宙人を悪役にする戦争ドラマ(映画)」を見たら、そこに描かれた攻撃的で醜い宇宙人は「自分たち、地球人の歴史と歩みを描いたものなのだ」と思った方がいい──私はそう思います。

 相手を「敵だ!」と思うそのこころの中にこそ、敵は潜んでいるのですから……。


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【参考】宇宙人を友好的に描いた、数少ない映画作品例。

◆コンタクト
※宇宙人(地球外高度知的生命体)との交流を、より現実的な視点で描いた作品。ワームホールの描き方といい、スピリチュアルな視点からも充分楽しめます。
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ジョディ・フォスター、マシュー・マコノヒー 他

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◆コクーン
◆コクーン2─遙かなる地球─

※老人と宇宙人との交流を、コミカルかつ愛情深く描いた作品。SFという視点だけでなく、「地球人の有限なる時間(寿命)」や「加齢と共に生じる変化」についても考えさせられる作品です。SFという要素よりもヒューマンドラマの要素強。
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(2011/11/23)
ドン・アメチー

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◆2010
※有名な映画「2001年宇宙の旅」の続編。2001年ではあまり顕著に出てきませんが、2010をすべて見ると「神のように関わる高度知的生命体」の存在が感じ取れます。
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(2010/04/21)
ロイ・シャイダー、ジョン・リスゴー 他

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(友好とは言い難いけれど、好意的に描かれている作品)
◆地球が静止する日
※作品としては(個人的に)あまりお薦めではありませんが、宇宙人が出てくる例としてご紹介。
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(2010/08/04)
キアヌ・リーブス、ジェニファー・コネリー 他

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◆ノウイング
※作中、宇宙人が出てくるのはほんの一部でしかありません──が、聖書に出てくる預言や天使と高度知的生命体の関係をうまく絡めて描かれた作品。
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(2010/01/06)
ニコラス・ケイジ、チャンドラー・カンタベリー 他

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◇小説作品:
◇アミ、小さな宇宙人
※ここで紹介するまでもない、超有名な小説。著者であるエンリケ・バイオスはこの作品を「創作」と言っていますが、かなり真実に近いのではないか──そう思える箇所が多々あります。創作も「インスピレーション」を受けることを思えば、結局のところ「テレパシー」を受けて書いていたとしても不思議はないような気がします。
アミ小さな宇宙人 (徳間文庫)アミ小さな宇宙人 (徳間文庫)
(2005/08)
エンリケ・バリオス

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△体験談△
▲銀河間トラベラー「アプ星人」との170時間
※「アミの実体験版」みたいな本。カヴァーロさんが言っていることと共通事項が散見されるところが興味深いです。
銀河間トラベラー「アプ星人」との170時間 (5次元文庫)銀河間トラベラー「アプ星人」との170時間 (5次元文庫)
(2010/06/09)
ヴラド カペタノヴィッチ

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▲天使的宇宙人とのコンタクト
※かなり濃厚な体験談。私が情報源として信用をおいているコンタクティは、今のところこのハワード・メンジャー氏(2009年没)とマオリッツオ・カヴァーロさんぐらいです。
[2012年に再び戻ってくる]天使的宇宙人とのコンタクト (超知ライブラリー 26)[2012年に再び戻ってくる]天使的宇宙人とのコンタクト (超知ライブラリー 26)
(2007/07/19)
ハワード&コニー・メンジャー

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『この世は幻(まぼろし)』という言葉の真相

 以前に比べると昨今は、「この世(現実)は幻覚である」という概念がだいぶ浸透してきたように思います。
 しかし、一部ではその意味が曲解されているように感じられることも増えてきました。

 現実とは、私たちが見る「夢」のようなものであり、実存は異なる次元に存在する──。
 それを説明する際よく引き合いに出されるのが、映画「マトリックス」です。あの映画と同じように、私たち生命体はマトリックスの中でコンピューター(実際は映画と異なり、もっと愛ある存在ですが)に繋がったまま真の世界も真なる自分の正体も知らずに眠っている繭のようなものだ、と言われています。

 「この世(現実)は幻覚」ということへの曲解でよく見受けられるのが、「日常の否定」「社会からの逃避」です。
 勿論、そうすることが本人(魂)にとっての学びであったり目的であると言うのなら、止めはしません。
 しかし、ここで思い出して欲しいのは覚りを求めた僧侶達も、必ず日常生活の働きかけをしてからでないと修行に入れなかったという事実です。日本の禅寺でも、入り立ての雲水は炊事洗濯といった日常の雑用から入ります。そうした日常業務をこなせないうちは、一人前の僧侶と見なされることはありません。
 仏陀は、必ずしも現実社会を否定したわけではないのです。その証拠に、仏陀生存の時代にも「在家信者(社会で普通に生活しながら、修行にも励む人達)」がサンガ(僧団)に参加することは認められていたという史実が残されています。もし現実社会を仏陀が否定していたとしたら、在家信者は絶対に認められることはなかったはずです。
 仏陀が否定したのは、この世(幻覚)をすべてとして自らを溺れさせてしまうことであって、現実社会そのものではありません。むしろ、現実社会を否定してそこから逃避してしまうことは、回り回って「幻覚である社会に溺れてしまった」ということにも繋がってしまう危険があります。

 「それなら、一体何をもってして『この世が幻である』という感覚に至ることが出来るのだろう?」──そうお考えの方もいるでしょう。
 ここでひとつ、実験をしてみたいと思います。


 まず、心を鎮めるために深呼吸をしてください。

 次に、最近あった出来ごとを思い出してみましょう。
 その中で、とても嬉しかったこと。
 或いは、すごく辛かったこと──嫌だったことなどを、思い出してください。
 特にそういった出来事が思い当たらないという人は、あなたが大好きな人や、或いは、大嫌いな人を思い浮かべても結構です。

 思い浮かべたでしょうか?

 では、ここで質問です。

 あなたが思い浮かべた出来事、人──それらは今、「どこにありますか」?
 それらの出来事は、今、あなたの目の前で展開されていますか?
 その人は今、あなたの目の前に立っていますか?

 さぁ、どうでしょうか。

 あなたが思い浮かべたことの「実存」は、果たしてどこにあるのでしょうか?
 今、それを掴むことが出来るでしょうか?

 ──出来ませんよね。
 それはまるで、「夢の中で手にしたコインを、目が覚めた後も握りしめておくことが出来ない」のと同じように、儚く消え去ってしまったことと思います。

 そう──すべては「あなたのこころの中で蘇ったこと」でしかないからです。

 この実験で分かるように、私たちは「こころの中で、何度でも過ぎ去ったことをリフレイン出来る」のです。
 場合によっては「実際に起きていないこと」だって、リフレイン出来ます。
 そう。
 あなたが「現実だ」と思っているのは、あなたの「こころの中に映し出されたものだけ」なのです。



 これが、「この世は幻」の真相です。

 どんな出来事にも善も悪もなく、すべては「現象」として起きている。
 それをどのように「こころの中で再生するか」は、あなた次第でしかないということなのです。

 こういうふうに紐解けば、現実社会が「幻」であるということは、何となくお分かり頂けることと思います。
 そして「この世は幻」ということと、「現実社会に対して、何の働きかけもしない」ということがまったくの別問題であるということも、分かって頂けることでしょう。

 この世は幻であるということを自覚するということは、どのような結果に対しても執着しないという心の在り方なのです。
 だからこそ、深遠な真理に少しでも近づこうと日々努力しているスピリチュアリストの人には、そうした「この世は幻である」という視点と同時に、現実社会を少しでも良くしていこうという働きかけに参加していって欲しいのです。
 「この世は幻」という視点に立てた人だからこそ出来ることというのは、沢山あるはずです。

 世界の全体像を見つめようと心がける真理探究者やスピリチュアリスト達に、是非、現実問題へも目を向けて欲しい──そう願う次第です。


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2011-12-18 | 真理 | トラックバック(0) |

皆既月食を見ながら、地球での「絆」を感じてみよう

 私は子供時代から「天体ショー」の大ファンなので(笑←9歳の時、部分日食観察用のサングラスを作成途中、やけどをしてしまったなどというマヌケな思い出もあります)、今回の皆既月食もマスコミが騒ぐずいぶん前から、密かに楽しみにしておりました。
 今回の天体ショー、高台で広く星が見渡せる今の居住地ではさぞかし大勢の人が見物するだろうと思いきや、意外にも見物客は私だけでした……。22:25頃の段階では少し薄曇りだったのですが、23時の時点では雲がすっかりなくなっており、神秘的な赤い月を天頂で仰ぐという、またとない機会にあうことが出来ました。

 私が月食を好きな理由は、宇宙の神秘を感じる以上に地球というひとつの星に、私たちが生息しているのだということを感じられるからです。
 月食が何故起こるのか、みなさんすでにご存知とは思いますが「地球が太陽を向かいにして影を作る部分に、月が入ってしまう為」に起こります。要するに月食の時はその短時間の間、地球の影を月が横断することになる──というわけなのです。

 私たちが生きている間、私たちの人生は、地球という小さな惑星の上で起きていると感じることが、果たして何度あるでしょうか?
 日常の中で生きていると、それぞれが醸す人生の劇に感情移入したり、もしくは観客の一人になったりで、なかなか「これら人生そのものが、地球という星の上で行われている」ということを実感しにくい──そう思います。
 しかし、こうした天体ショーの中で私たちは、あたかもショーを見に来た見物客のようになりつつも、「自分はこの小さな星の上に暮らしている生命体のひとつなんだ」ということを実感せずにはいられないでしょう。こうした宇宙の美しきショーは、まるで地球人達に「お前たちはみな、宇宙の一員なんだよ」ということを呼び掛ける為に準備されているのではないか──そんなふうにまで思えてしまう程です。

 今、月を見上げている人達の中には、様々な人生、様々な価値観、様々な想いがあるはずです。
 そして、月食を観測出来ない地域の国の人達にとっても、地球というのは「母なる星」です。
 月に映った闇は、そうした私たちの地球が造り出した「影の部分」です。
 もしも月が鏡で出来ていたら、月に映る闇の代わりに、そこには私たちと同じ地球の姿が映し出されているかもしれないのです。
 そう思いながら月食を見上げると──また違った感慨が生まれてきませんか(笑)?

 私には今、とても愛しい友人や仲間達が大勢います。
 夢を追う中で親との狭間に立たされて葛藤している友人や、人付き合いがうまく出来ないことを悩む友人、真面目な生き方をしてきてしまったが故に自分で決めることが怖くて出来ないとこぼす友人もいれば、自分をうまく表現出来ないことに苦悩している友人もいます。
 友人達はスピリチュアルも知らなければ思想にも疎い──でも、悩みを抱えながらも、全力を尽くして「今」を精一杯生きようとしている、素晴らしい地球の仲間です。

 そんな彼女たちと共に、私は今「地球で生きている」
 これを読んでいるあなたも、そして、あなたを取り囲む色々な友人、知人、大切な仲間達も、今「地球で生きている」
 そして、あなたの友達の仲間達を取り囲む友人、知人、さらなるその仲間達も、今「地球で生きている」
 そうやって辿っていくことで、地球は「友情の絆」に包まれていくこととなるでしょう。

 生まれてきて、誰とも一度も接触したことがないという人は、まずいません。
 そうである以上、誰かが必ず誰かと接触していて、その繋がりと絆は切れることなく、地球の全体を包みこんでいる──。
 そんな私たちの絆を支える星「地球」の影が、今、月に映りこんでいるのです。
 そこには目に見えなくても、あなたや、あなたの大切な人との絆も、映りこんでいるかもしれません。

 月食をそんなふうに観測出来たら、さらに楽しさが倍増しますよね(笑)。
 まだまだ続くようなので、是非みなさん、これからもお楽しみください。

※月食が見えない地域の方は、以下で動画中継が見られます。
 http://www.ustream.tv/channel-popup/rikubetsu-ginga


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2011-12-10 | 雑談 | トラックバック(0) |

汝、無知なることを知れ

 「無知の知」──ギリシャ時代の哲学者、ソクラテスの言葉です。
 無知を知る。一体どういうことだろう、と首を傾げる方もいるかもしれません。
 ソクラテスの弟子のひとりが、デルフォイの巫女からこんなお告げを受けました。
「ソクラテス以上の賢者はいない」
 それを聞いたソクラテスは、自分は決して賢くないと思っていたが故に大層驚いたそうです。そして、「何故、そのような神託が降りたのか」と自問自答を繰り返し、結果、自分は周囲の賢者達に比べて「(自分が)無知であることを知っている」という意味において賢い──という結論に達したのです。

 私はこの言葉が、今の時代でも充分通じる──いえ、むしろ「表面ばかりの知識がもてはやされる時代だからこそ、とても必要な言葉」のように感じています。
 本来、私たち人間は「深遠な真理や智慧に到達していないのだ」ということを、もっと自覚すべきだと思います。それが自覚出来ず、「人間が地球上で最も賢い生命体だ」という傲慢さから、多くの生物達を絶滅に追い込み、大地を枯らせ、有害なものをまき散らしてしまったのだということに気がつくべきなのでしょう。

 それは、人類という大きな括りからスタートするだけでなく、私たち個々人においても、求められる姿勢だと思います。
 「一を聞いて十を知る」という言葉がありますが、私はこの言葉を褒め言葉だと思ったことはありませんでした。
 子供時代、私は妙に要領のいい子供で、何かひとつのことを始めると何でも器用にこなすことが出来ていました。そのたびに「お前は一を聞いて十を知る子だね」と言われましたが、子供時代の私にとってそれはかえって屈辱的な言葉に聞こえたものです。

 「一を聞いて十を知る」。
 この言葉の真の意味は「何も知らないくせに、知ったかぶりをしているだけ」ということだと、そう思っていたからです。

 この思いは、今でもあります。
 私は「スマートに何でもこなす」というのが、好きではありません。物質社会であればそういった姿勢は「クール」と言って求められるでしょうが、霊的な体験として「スマートにこなせてしまったもの」というのは、内面に何も残さないからです。

 「自分は知っている」
 「自分は出来ている」
 そう思ってしまった途端、その人の成長は止まります。
 生きながらにして神になれるのであれば、最初からこの次元に誕生することはありません。日常の中で「何故、誰にでも出来る当たり前のことが自分は出来ないのか」「何故、自分は周りのみんなと同じように出来ないのか」そんなふうに悩み苦しんでいる人達と共にいることの方が、私は好きです。彼らが魂に刻みつけている歩みはとても深く、時としてものすごくまぶしい輝きを放つこともあるからです。

 スピリチュアリストの中には、「教師」という立場に立ったり、何かを教えたがったり、指導したがる人が多いように感じます。
 しかし私は、最高の教師は、生徒と同じ立ち位置に立てる人だと思っています。
 仰がれる立場にいるのではなく、時として目下に見られるようなことがあったとしても、大きな気づきを周囲に与えられる人。
 上から目線で教えるのが教師ではない──どのような方法であったとしても「相手に気づき」を与えることが大切な目的なのだと、そう思います。
 私は、「ソクラテスとは、そういう人だったのではないか」と思っています。

 ちなみに──。
 ソクラテスは賢者とされる人にはかなり嫌われていて、結局毒殺されてしまいます。
 何故嫌われたかと言えば、賢者としてふんぞり返っている彼らに対し議論を吹っかけ、「相手の知ったかぶり」を知らしめてしまったからです。
 本当に賢い人であれば、ソクラテスのそのような行為にむしろ感謝し、喜ぶはずです。智慧や真理を心から求める者は、いつでも「気づき」を求めています。批判や評価なんて気にしないどころか、自分に対する見栄もプライドもないので、「自分は何も知らないんだ」ということに気づけること、それそのものに喜びを感じるはずなのです。
 そう感じた人が誰もいなかったのだとしたら、確かにソクラテスほどの賢者が当時はいなかった──ということになるのかもしれません。

 スピリチュアリストの中には、自分の霊性を高く評価し、周囲の人の「波動が低い」といったことを言う人もいます。
 また、日常の些末な出来事に対して「面倒くさい意味のないもの」と見て、自分はもっと意味のあることをすべきだと感じている人もいます。
 しかし、日常の出来事や目の前の現実を否定しか出来ない状態では、どんな素晴らしいものごとが訪れてもその素晴らしさを理解することは出来ないでしょう。
 「つまらない」と思っているのは自分の評価でしかなく、本来は「どんな些細な出来事でも、見方ひとつで素晴らしいものに見えるはずだから」です。それが出来ない状態では、どんなに驚くような奇跡が起きても喜べるのは一瞬で、すぐに何もかもが色褪せてしまうでしょう。
 状況や環境が霊性を育てるのではなく、どんな状況、環境にいたところで霊性を如何に育てるかは「自分次第だから」です。

 こんな例があります。
 私が東京で仕事をしていた頃、遠距離通勤中に子供連れが乗ってきました。両親に連れられた5歳ぐらいの男の子は、一両目の先頭車両(ガラス張りで運転手席が見えるところ)に乗るのは初めてだったようで、乗ってきた時からかなりのハイテンションでした。
 しかし、私を始めとするその車両に乗っている通勤者にしてみれば、電車は「ただの乗り物」です。会社に行く為のツールでしかない。ましてや運転手が見えたからといって、鉄道会社の従業員ぐらいにしか思いません。
 しかし男の子は、運転手の後ろ姿に歓声を上げます。まるでハリウッド映画のスターが突然現れたかのように。
 男の子はとても興奮していて、終始はしゃいでいました。
「すごいねぇすごいねぇ! 新幹線みたいだねぇ!」
 電車はありきたりの普通列車です。有料の特急でもありません。
 しかし、その子にとっては新幹線と同じぐらい、すごいものに感じたのでしょう。
 私達おとなにとっては「当たり前」のことでも、その子にとっては「ワンダーランド」に見えたのかもしれません。

 私は、この男の子の純真さに、とても心を打たれました。
 思えば私も、昔は電車に乗るのが大好きでした。大人しい子供だったので騒ぎはしなかったものの、すべてにワクワクしながら見ていたのを覚えています。
 一体いつから、電車の光景に何も感じなくなったのだろう──。

 私が見ていた光景と、男の子が見ていた光景は「まったく一緒」なのです。
 でも、その子にとってその光景がワンダーランドに見えたのは、一体何故なのでしょうか?
 その子は電車の光景を「知らない」──初めて観るものだったからです。彼の瞳はまさしく、「電車の光景、すべてを知りたい」とする好奇心に満ちたものでした。
 一方、私は電車の光景を「知ったつもり」になってしまっていたから、何を見ても「当たり前」としか感じられなかったのです。

 人生も同じです。
 「知ったつもり」「出来たつもり」になってしまえば、何も面白いものはありません。そこがゴールになってしまいます。
 「自分は知らない」「自分は出来ていない」──自己卑下や過小評価ではなく、素直にありのまま「自分の無知を受け入れる」ことで、魂に築き上げていく体験も、そして人生に対する感じ方そのものも、大きく変わってくるのだろう──私はそんなふうに思っています。
 

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2011-12-05 | 真理 | トラックバック(0) |
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プロフィール

篠崎由羅(しのざきゆら)

Author:篠崎由羅(しのざきゆら)
1970年生。幼少期から哲学・宗教学に造詣を深める。思想および思想史、それに付随した国際事情に興味を抱いて独学を続け、大学ではインド哲学科専攻。東西問わず、両者の思想に渡り研究を深める。

現在は看護師として施設で勤務しながら、その傍らで執筆活動を続けている。2016年11月にYOU are EARTH改め「WE are EARTH」の活動を再始動予定。より良い未来の地球のため、全力を尽くす誓いをたてている。

【篠崎編集担当】


【篠崎の著作本】

アセンション真実への完全ガイド―2012年のイベントホライズン (5次元文庫 し 2-1)アセンション真実への完全ガイド―2012年のイベントホライズン (5次元文庫 し 2-1)
(2010/06/09)
篠崎 由羅

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【第Ⅱ部に篠崎の質問文が一問一答形式で掲載されています】
クラリオン星人コンタクティが体験した アセンション[量子転換]のすべて  宇宙人の人類DNA大変革プログラムクラリオン星人コンタクティが体験した アセンション[量子転換]のすべて 宇宙人の人類DNA大変革プログラム
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マオリッツオ・カヴァーロ

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【インタビュー本第二弾】
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(2011/09/22)
マオリッツオ・カヴァーロ

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