先日、カヴァーロ氏の著作三作目が徳間書店から出版されました。
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私はネット注文して受け取りにいった翌日、1日で読破してしまいました。400ページ以上あるので読むのは文字通り1日かかってしまいましたけれど、読み終えた後に過ぎる様々な思いについては一言で言い表すことが出来ません。
この本を「巷で売られているような、単なる宇宙人もどきのチャネリング本」と思ったら大間違いです。タイトルに「クラリオン星人」と出してしまっているが故に頭の硬いエセ・インテリから罵倒される的にもなりそうですが、タイトルや見た目でこの本を評価してしまうのは実に勿体ないです。正直言って私は、宇宙人に関するこの手の本はカヴァーロ氏(以下敬称略)とハワード・メンジャーの本以外、読む気にさえならないぐらいです。
カヴァーロの物言いがとても文学的、かつ遠回しであるが故に、おそらくつまずく読者も多いと思います。中にはアレルギーを感じる人もいるかもしれません(笑)。
確かに、本を読み慣れている私でさえ「読みやすい」とは言い難いです(苦笑)。しかし、これはカヴァーロ自身の癖と言う以上の「意図」を私は感じています。おそらく、
わざと難解な言い回しにして、読者に考察を促しているという意味で。
同じ手段を、シュタイナーも使っていました。
シュタイナーは神秘学に関する書物を書く際は、必ず「読者が客観的に考察出来るよう」わざと難しい言い回しで書いていたと言います。こうした神秘学に関する情報は、
読者の方で必ず咀嚼する必要があるというのが、シュタイナーのポリシーだったのでしょうね。だから真理を考察する力のない人には「最初から理解出来ない代物」にしておいたのだろうと、私は感じています。
カヴァーロの場合も、遠回しな表現をすることで「読者に考える時間を与えている」と、そう思います。勿論、絵画的な情景描写も多いので、想像力に自信がない方には少々辛い部分があるかもしれません。しかし、そうやって頭の中で想像をすることでカヴァーロの疑似体験を思考の中で行い、かつ、ただの体験談として呑み込むことなく「客観的な真実」として見つめることも出来るのです。そういった意味では、「すごく考えて書かれている本だな」と、私はそう思いました。
この本はそれだけでなく、昨今スピリチュアルで注目されている宇宙人到来的な
「救世主崇拝の視点」を表面きって批判しています。
どういう危機的状況であれ、人類は自由意志と自意識の中で独立の選択をせねばならないという明確な意志が、文脈の中から読み取れるのです。
私はこうしたカヴァーロの考えに同感です。ここでも何度も書きましたが、私は「外部からの助けは、人類にとって悪影響しか及ぼさない」という考えを持っているからです。どんな場合でも
自立支援こそが、最大の助けである──私はそう思っているので。ですから、この本でも「あくまでも尊重されるのは、カヴァーロ(であり、彼が本を書くことでそれを読む読者側)の意志であり、自主性である」ということが随所に書かれているのです。
前作の「超次元の扉」では、ここまで明確に
人類の自立した意志の必要性は描かれていませんでした。前作はあくまでも「カヴァーロの体験」に過ぎず、読者はそれを追体験することしか出来ませんでした。しかし、今回の著作には──これはカヴァーロの意図しないところでしょうが──非常に大きなメッセージが籠められている、私はそう感じました。
私が今回の著作で最も考えさせられたのが「マルチユニバース」の考え方です。
多次元宇宙──。
この考え方自体は、決して目新しいものではありません。すでに十年も前から、ホーキングも唱えている説です。しかし、私はこの説を読んだ時に「あくまでもメインとなる宇宙は今存在する宇宙で、その他の宇宙はサブとして存在するものなのだろう」と思っていました。
ですが、カヴァーロの本ではそのように書いていません。私達の宇宙は──それこそ、
「無数に浮かぶ小さな泡のひとつに他ならない」という解釈なのです。
私達生命体は世界に数多く存在しており、一人一人、ひとつひとつの命がどれほど尊いものであったとしても、「無数に誕生してくる生命のひとつに他ならない」というのとよく似ています。
私達は今まで、宇宙は絶対的に「ひとつ」なのだという思いこみの中で生きてきましたが、宇宙でさえもが「多数存在する生命のひとつでしかない」ということを、この本から感じ取れるのです。
それを感じてしまうと──本当に小さな諍い、もめ事が馬鹿馬鹿しくなりますね(笑)。
同時に、
私達人類が、宇宙という存在を理解するのに如何に自分勝手な解釈を用いてきたかということに気がついて、情けなくなります。
人類という存在は、どのような時であっても「自己存在」を前提にしなければ、すべてを説明、解釈することが出来ないのでしょう。
「私(わたし)」という概念に固執し、すべてを内包する大いなる世界でさえもその「私」を中心にしなければ論じることが出来ない──。「天動説」から「地動説」へと変わりはしたものの、結局「私」を中心に据えようとする意識は、もう何百年と変わっていないのです。
それは「私」という個を蔑ろにしろということではありません(「
高次元における全体調和は、個性を排斥しない」)。「私」を尊重することと、全体を尊重することは決して矛盾しません。ましてや、真理を重んじようということだって決して矛盾はしないでしょう。にも関わらず、何故真理がこのように「人類中心」に歪められてしまう傾向があるのかというのは──やはり、「エゴ」の部分が大きいのかもしれない、そんなふうにも思います。
本来、地球に住む生命だって人類よりも他の生命の方が遙かに多いのに、そうした生命への尊重さえも、私達は軽んじてきてしまいました。一緒に暮らす仲間とも言うべき生命達でさえも軽んじてしまうのであれば、真理だって容易に軽んじてしまうものなのかもしれない──。
こうしたカヴァーロの本が今になって出版されたのも、きっと意味があるのだろう──そう思います。ここに書かれている多くのことは、もう今から30年近く前にカヴァーロが体験したことの数々です。しかし、それを世に出す為には長い歳月が必要だったのでしょう。それは、カヴァーロ自身の心情もさることながら「読み手である人類の意識」が成長してからの必要性があったからだと、私はそう感じています。
今後起こる地球の変革においても、この本では触れられています。
しかし、その変革が「あるか、ないか」ということ以前に、私達はもっと大きな壁を乗り越えなければなりません。
それは
検証云々ではなしに、カヴァーロの言葉を真理として受け止め、自分で解釈をすることが出来るかという壁です。
人はやたらに「検証」を翳します。勿論、体験したものごとをあらゆる角度で解析したり、考察することは必要です。しかし、「疑いの目から入った検証」ほど、無意味なものはありません。そんなことをしている暇など、時代はもう与えてはくれません。私達は一日でも早く自己意識の改革に努め、現実を凌駕する「新たな真理」を受け入れる為に心の器を広くする必要があるのでしょう。
私個人から、この本がお薦めであるとは正直言えません。前述したように物言いが特殊だというのと、必ずしも読んだ人が何かを感じ取れるとは言えないからです。誰しもに分かりやすい本とは、決して言えない──そう思います。
しかし心の中で真理を知ろうとする強い衝動を持っている人や、昨今の精神世界で言われていること以上の何かを知りたいという人であれば、この本は「是非」と言える程、お薦めの本です。「左脳的に理解しよう」とするのではなく、魂の奥深くに響く何かを拾い上げていくことで、「腑に落ちる何か」を感じることが出来るだろう──そう思う次第です。
【追記】巻末に浅川氏の書評文がありますが、その中に「ピラミッドの石が不均等であったことへの疑念」が書かれています。
ですが私は、それ以前に「カヴァーロ氏が見た7500万年前の地球も、実は多次元世界のひとつに過ぎず、今の地球の時間軸とは違うのではないか」という印象を受けています。
私達はどうしても「時間」という概念をひとつの流れに見なしてしまうので、過去というと「文字通り、今の時間を遡ったもの」と考えてしまいがちです。しかし、そうした過去こそが「宇宙同様、無数の泡として存在しているのではないか」と私には思えるのです。
浅川氏の疑問は最もですが、次元という概念をいれて考える場合、そこで言われる過去は「必ずしも私達の時間軸に存在するものとは限らない」と考えた方がいいように、私には思えるのです。この辺りについては、私自身ももう少し考察の必要性を感じています。
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