最近は下降気味ですが、一時期「成功哲学」という言葉が流行りました。(昨今はむしろ、「引き寄せの法則」ですかね。って、もっとインスタントな手抜きになってるってことなのかもしれませんが──)
成功哲学のプログラムそのものは、今から100年以上前、鉄鋼王と呼ばれたアンドリュー・カーネギーから依頼されて、25年もの歳月をかけてナポレオン・ヒルが体系化させたものです。今でもナポレオン・ヒルの著作は多く出ていますし、プログラムやセミナーも多々あります。
私が「成功哲学否定論者」というのは、このブログでも時折書いているのでご存知の方も多いかと思います。
何故なら、成功というのは、あくまでも「結果」でしかなく、
大切なのは過程の方だ──私はそう思っているからです。
そして、成功は
方法論ではないと、そう思えるのです。どんなにナポレオン・ヒルがそれを体系化したところで、同じ方法をとっても「成功する人」「しない人」が必ずいたはずです。
何故なら、このブログでも何度か書いたようにこの次元はすでに
「二元性」を含んでいるので、そうである以上
「成功と失敗は、必ずセットになっているから」です。
ということは、「成功者がいる」一方の裏には、
必ず常に、虐げられ続ける者達もいるのです。
その両者を見ずに──或いは「その人達は、自ら成功しようとする意志のない怠け者なんだ」という決めつけて「自らの成功のみを願う」というのは、エゴでしかありません。
もっとも、本来の原則で言えば「成功」も「失敗」も
両者ともにニュートラルなものでしかなく、それそのものに「善悪の基準」はありません。
要するに、その人自身がその成功を「いい」と思えるか「悪い」と思うか──或いは失敗を「成功のステップ」とみるか、「絶望」として捉えるか、その差でしかないでしょう。
ということは、成功も失敗も
一時的な結果論でしかないと言えるわけです。
だからこそ、私はこうした言葉に「必要以上に囚われること自体」を懸念しているし、「それは、その人の人生を見失うきっかけにもなりかねない」そう思えるのです。
私にとって「成功」は、
自分がどれほど努力を重ねてきたかという延長線上にある、副産物でしかありません。
本当に大切なのは「自分が目指すべきゴール」に向けて、どれほど誠実に、どれほど誠意をこめて「努力できたか」ということでしかない──そう思うのです。
物語の例で、挙げてみましょう。
私が大好きな映画「ロード・オブ・ザ・リング」では、主人公のフロドが「悪の権化ともされる指輪を、滅びの山まで捨てにいく」という重い任務を背負います。
でも、もし「成功」だけを意識するのであれば、フロドが「指輪を無事に捨てた」という事実だけがクローズアップされてしまい、その他の登場人物達の苦悩──フロドを支え続けたサムの友愛や、悪役として登場したものの結果的に「フロドの使命」に一役担ったゴラム、使命半ばにして命を落としたボロミア、その他、フロドの使命に関わった大勢の人達の苦悩や人生は、無意味なものと化してしまいます。
あの物語にとって大切なのは「フロドが使命を全うした」という結果ではなく、
「そこに行き着くまでの過程だった」と、私には思えるのです。
人生だって、同じです。
「終わりよければ、すべてよし」──笑って死ねる人生であれば最高だと、人はそう言いますが、
それは結局、心根の正しい努力をしつづけたからこそ「笑える」のではないでしょうか? どんなに成功者と人から呼ばれ、大金を稼ぎ、自家用ジェットを乗りまくっても、「こころ」が満たされないまま死んでいけば──それは決して、本当の成功とは言えません。
要するに、
本当の成功というのは、物質で担えるものでは決してないんだと、私はそう思うのです。
勿論、ある程度の物質に還元されることはあるでしょうが、結果的には
いかに自分が誠実に、自分の目標に向かって努力出来たかでしかない、私はそう思います。
そして、それは方法論では決してなく、必要なのは
信念だと、私には思えるのです。
どんなに「成功哲学」のプログラムどおりやったところで、信念のない人は成功しないでしょうし、そんなプログラムを知らなくても、信念がある人は成功するでしょう(もっとも、信念がある人は最初から「成功」だの「失敗」だのという言葉に振り回されないので、何の意識もしないでしょうが)。
「社会で成功したい」と思う人は、世の中多々いることと思われます。
でも、まず必要なのは
「自分がどのように生きたいか」という理想であり、それに向かって
突き進める信念だと──私はそう思います。
そして、ひたすら自分の信念だけに進んでいった時、見えてくるのが「成功」という理想郷なのかもしれません。
が──きっと、そこに辿り着いた時、その人はこう思うことでしょう。
「ああ、理想郷に辿りつくことも素晴らしいが、その過程にあった旅路の方が、
苦しかったけれども有意義で楽しかった」──と。
そうやって「
努力を楽しめる人」こそが、真の成功者と言えるのかもしれません。
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