目まぐるしい想念の蠢きに、流されない為に──

 先日、三回に渡って「体内離脱」についてを記事にしましたが、改めて何度考察しても、結局最初に戻ってくるものは「想念ありき」なのだということを実感させられます。

 例えば、私たちが知っている国際的な事件にしろ、歴史的事件にしろ、起きた事象は三次元的な「現実」として捉えられますが、それを起こす「きっかけ」となったのは、結局は人の想念です。
 ジョン・レノンの暗殺にしたって、「殺そう」という想念がなければ起こらなかったことだし──革命にしたって、そこに民衆の怒りという「想念」、或いは改めていこうとする「想念」がなけれえば、起こり得ません。

 私たちは「目に見える現象」として現れた歴史的事実や事象に囚われていて、その背景にどのような想念が渦巻いていたのかまでは、認知していません。
 本来はこの背景に動いている想念こそが「歴史の主役」であり、時代の担い手だったのではないか──私にはそう思えるのです。

 そんな流れで昨今、実感するのは──
 「全体的に、想念の流れが激しくなっているのではないか」ということです。

 今年になって、多くの人が「何だか、世界はおかしくなっているような気がする」と感じているようです。
 それはこうした精神世界系に詳しい人だけではない、ごくごく日常の生活を送っている人達も実感しているようです。
 事実、私の本を読まれた方々──本来であれば絶対に手にしないような分野の本であるにも関わらず、読んで下さったという読者の方々の中には、壮年や老年で色々な経験や知識も豊富であるにも関わらず、最近の時代の変化に「何かを感じずにいられなかった」という方もいらっしゃった程です。
 アセンションなどの用語は知らずとも、多くの人が「今、世界が変わろうとしているのではないか」と感じているようです。
 自著にも書いたように、想念は現象に影響を及ぼし、またその現象を通じて再び想念に動きが生じるという相互作用が、延々私たちの世界では繰り返されています。
 色々な自然災害、異常気象、景気の不安定などを見ながら、私たちは「世界が変わる」ことを感じ、その実感が今度は再び現象を起こす作用と化す──これが、ものすごいスピードで繰り返されているのが「現在」なのかもしれません。

 「想念の目まぐるしい動き」は、をしっかり持っていないとその動きに流されてしまい、我を見失ってしまいかねません。
 「くさかんむり」に「こころ」で芯──うまいこと漢字は書くものですが、人間の芯とはまさしく「こころ」だと、私は思います。

 それは、精神の全体像を掴んでいるのとは、多少ニュアンスが違います。
 日本語の言う「こころ」にぴったり該当する英語は、もしかしたら「ないのではないか」そんな気がする程です。
 例えば「Mind」と言えば、どちらかといえば「感情」も意味するような印象を受けるのです。「マインドコントロール」など、よく感情作用のことを呼びますが、本来「こころ」がしっかりしていれば、惑わされることもなかったように思えます。その為、マインドコントロールで使われる「マインド」を、「こころ」と同義語にするのは違うように思えるのです。
 
 日本語で言う「こころをこめる」というのは、「愛をこめる」のと同じ意味になります。
 その為、「こころ」とは、精神に、愛と叡智が一体化したものであるように、私は感じています。

 以前、このブログで軽く触れたように、児童文学「アミ 小さな宇宙人」の中に出てくる一文で、「本来、頭と胸の両方に『考える機能』が入っている。この二つをうまく使わなければならないのに、人間は頭しか使っていない」といったニュアンスの言葉が出てきます。
 まさしく、この「胸」──「こころ」が、その「胸にあるもうひとつの脳」なのかもしれません。

 例えば、「相手の立場にたって考える」とか「相手のことを思いやる」といった場合、それをするのは「頭」に入った脳の役目ではなく、「胸にある考える機能」──「こころ」の役割ではないかと思うのです。

 しかし、最近ではことさらに、この「こころ」の機能が低下している──そう感じることがままあります。
 先日見かけた、「地下鉄のラッシュ時に、子連れで乗っていた母親に下りるよう促したOLの記事」なども、「こころの枯渇」を感じずにはいられません。(この記事はmixiなどでも取り上げられていましたが、かなり議論を呼んだようですね。でも、こういうことが「議論」になってしまう社会そのものが、私はとても哀しく思えます。本来は議論を交わすまでもない、「こころ」で感じる問題ではないでしょうか?)

 日本の文化は、そもそも欧米文化の派生とは異なる流れを汲んでいるので、欧米人の言う「自我」が、日本人で言うところの「こころ」に繋がっていたのではないか──そのように感じることもあります。
 言葉を認識する際、その言葉が「どのような派生で使われてきたのか」その前提を捉える必要がありますが、日本人にとっては「自我」というのは文化としてそうそう現れない概念であり、むしろ欧米文化が入ってきてから認識された「日の浅いもの」と言えます。
 代わりにあった「こころ」は、永いこと日本文化の中に息づいていましたが(茶道や華道、或いは武道など、「道」に携わった人であればそれが実感出来ると思われます)、いつしか忘れ去られてしまいました……。

 時代がこれほど想念の動きが目まぐるしく、激しい流れ方をしているからこそ、
 私たちは改めて「基盤たる『こころ』の意味」を考える必要性があるのでしょう。
 私たちが現実世界を送っていく中で、もっとも高次な智慧と近くにあるのが「こころ」だと、そう思います。どのような知的な文章も、ロジックも、そこに高次の智慧である「こころ」が籠められていなければただの上滑りな文章でしかないし、どんな素晴らしい発明も、「こころ」がなければ、やがては未来を朽ち果てさせてしまうかもしれない──。

 その出入り口たる「こころ」は、簡単に養育出来るものです。
 まずは「他者の為に」考える──ということ。
 「全体の為に感じ入る」──ということ。

 世界の異常気象を見て、我が身のような痛みを感じること。
 哀しい事件の際に、我が身のことのように感じること。

 「他者の為に考えられる」ということは、すでに「自己」を肯定しているので、まず自己が確立している人でなければ、本当の意味で相手を思いやることなど出来はしないでしょう──。
 何故なら、「自分の痛みがわからない者に、相手の痛みなど、わかりようがないから」です。

 ちなみに、「想念」と「こころ」は、同じものでも、形成が違います。
 例えて言えば、想念は「とどまることのない流水(前回「層」になっていると仮定しましたが、その層になった中で集団形成されたもの。集団化故、常に常に湧き出てくるので、とどまることを知りません)」であり、「こころ」は逆に、「湖のように、静かに湧き出でるもの」です。
 流水に湖の水を合流は出来ても、流水に流されてしまっては元も子もありません。やがて湖の水は枯渇し、ただ流されるだけの存在となってしまいかねない。

 想念のうごめきが激しい今だからこそ、自分に立ち返り、「こころ」を見つめる内観の時期が、必要なのかもしれません──。 


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プロフィール

篠崎由羅(しのざきゆら)

Author:篠崎由羅(しのざきゆら)
1970年生。幼少期から哲学・宗教学に造詣を深める。思想および思想史、それに付随した国際事情に興味を抱いて独学を続け、大学ではインド哲学科専攻。東西問わず、両者の思想に渡り研究を深める。

現在は看護師として施設で勤務しながら、その傍らで執筆活動を続けている。2016年11月にYOU are EARTH改め「WE are EARTH」の活動を再始動予定。より良い未来の地球のため、全力を尽くす誓いをたてている。

【篠崎編集担当】


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