日本民族は、滅びゆく宿命なのか?

※お知らせ※
 
体調を崩していた関係で、二日間更新をお休みしてしまいました。ご足労、およびご心配をおかけしてしまい、申し訳ございませんでした──。


 先日、6年ぶりに映画の「ラストサムライ」を観ました。
 上映期間に一度だけ映画館で観たものの、その後はDVDや動画などで視聴したことはありませんでした。
 そのせいか、一番最初に観た印象と大きく異なっていました。6年の間で、自分の価値観などが変わった関係もあるのかもしれません。

 初めて視聴した頃は、日本民族に対する愛着よりも、むしろ、世界への愛着でいっぱいでした。当時の私は、まだまだ身近にある者への感謝の気持ちが欠けていたようにも思います。
 その為、当時観るのと、日本民族について考えるようになってからである「今」観るのとでは、感じるものも、観る視点そのものも変わっていました。
 一回目では気付かなかったこの映画の良さが、今回二度目を観ることによって改めて分かったような気がします。
 同時に、日本が抱えている哀愁と、世界への困惑も、感じ取った次第です──。

 私はこの作品を観ながら、日本民族が、どのように世界に接して行けばいいのかをずっと考えていました。
 私は最近、日本民族の本質たる伝導体気質(液体気質)は、他民族の固形気質と「共生が不可能なのではないだろうか」と感じ始めているからです。

 例えば──分かりやすいのは「生態系」です。
 今、日本の生態系は外来種が入ってきたことで「大きく崩れようとしている」という話を、以前聞きました。
 実際に、ブラックバスが入ったことで湖の生態系が変わった──という話を聞くようになってからは久しいです。それだけではなく、植物においても変化が見られるという話を聞きました。
 勿論、外来種がそれほど日本従来にいた生物に比べて獰猛すぎるわけではありません。
 しかし、ある意味において日本の生態系は他の生命が培ってきたサイクルと異なりとても繊細なのかもしれない──そう思えた次第です。

 私は、民族の魂は、「血」に宿らずに「風土」に宿ると考えています。
 その為、日本の生態系が繊細だという理由は、今まで日本の風土が守ってきた「環境」が、とても繊細なものだったからなのではないか──そんな気がします。
 勿論、これは環境に限ったことではなく、その風土に住む民族の精神にも強く反映されます。

 ※余談※
 先日、稲川淳二氏の「怪談とホラーの違い」について書かれたコラムを読みました。
 確かに、海外のホラーは精神的な怖さというよりも、物質的恐怖──肉体的恐怖に直結したものが多い印象を受けます。(13日の金曜日や、エルム街の悪夢など。あの映画の恐怖は「目に見えない不可視のものが存在する」ことへの恐怖ではなく、ただ単に「殺されることへの恐怖」に過ぎません。ジェイソンが死んでようが生きていようが、チェーンソーが追ってくると思ったら「誰でも怖い」です。)
 しかし、日本の怪談はこころに訴えかけてくるものがあります。
 しかも、当時の民俗学における哀しい背景なども含んでいて、怪談が「人々の生活やこころに密着していた」ことを感じずにいられません。
 ──なるほど。こうしたところにも、かつての日本人が持っていた感受性が出ているのだなと、そう思わずにいられませんでした。


 しかし、残念ながら今の日本民族は、すでに「民族の精神」を失いつつあります。
 それは皮肉にも、生態系が崩れていくかの如し、じわじわと崩れていった感があります。
 先程挙げたように、民族の魂が「風土」に宿るのであれば、風土に束縛されない「人々の意志」のみが、最初に他の風土と融合──或いは感化されていきます。
 そして、最終的にその国の土地を守る環境──これが崩されていくのかもしれません。

 日本の生態系が崩れているということは、ある意味「民族魂の崩壊」とも言うべきものなのでしょう。
 この国独特の深い森、霧が立ちこめる竹林が広がる山々の魂が、滅ぼされている──ということなのかもしれません。

 そうした思いの中で観ると、この「ラストサムライ」という映画の中で「予兆」が感じられます。
 鎖国をしていた日本が、改めて開国をし、明治維新の後が舞台となっていますが──果たして、本当にこれで良かったのだろうか。もっと伝統や異なる価値観の人々を、大切にすべきだったのではないか、とあれこれ考えずにいられないのです。

 日本民族は液体気質であるが故か、その柔軟性は驚く程です。
 歴史を振り返ってみても、それはすぐに実感出来ます。
 例えば鎖国という、他の国々の歴史には滅多にないような頑なな姿勢を見せていたものを、開国した途端、まるで今までの過去を否定するかのように欧米文化へと染まって行く過程。
 第二次世界大戦で負けた後、多くの兵士達、犠牲者がいることを心の奥底にしまい込んで鍵をかけてしまったかの如くに、米軍の訪問を歓迎した過程など。
 当時の日本人達の中にだって、葛藤は少なからずあったでしょう。
 しかし、日本民族というのはどこか「そんなこと、悩んだって仕方ない」的な液体気質ならではの、「水に流す性質」があるような気がします。

 しかし、それが結果的に──今や、蠢く「ただの流水の如し」になろうとしています。
 それは、日本人があまりにも伝統や民族の本質を忘れ、ただ「日和見的な流水」となることに徹してしまったからなのでしょう。
 伝統の中に生きる日本民族の精神を捨て、「新しいもの」「より新しいもの」へ変化させようとしたが故の顛末なのかもしれません。
 言い方を変えれば「とても向上心がある」とも言えます。
 しかし、新しいものが必ずしも「いい」とは限らない。伝統の中にこそ、自分たちや先祖が培ってきてくれた「輝けるものがある」。それを残そう──という発想には、日本人の場合なかなか結びつかなかった、そこが今の時代にすべてしわ寄せとして出ているような気がします。
 以前、日本の鉄道に魅せられて日本に移住したというドイツ人とイギリス人の取材記事を読んだのですが、その人も同じことを言っていました。
「日本の鉄道は、本当に素晴らしい。しかし、かつての鉄道の素晴らしさや、伝統を、日本人は大切にしないので、とても勿体ない」と。
 伝統を重んじる国々の人達からすれば、確かに「勿体ない」そう思えるのかもしれません。

 映画「ラストサムライ」に出てくる侍(サムライ)の顛末は、すでに消えつつある日本民族の良さをそのまま描いているようにも感じました。
 世界が開かれていく中、変わりゆく日本の生態系や民族性を見るに──私は、「液体気質たる民族の宿命は、固形気質との共生ではなく、やがて固形気質たる民族の中に融合されていくことなのかもしれない」とそんなふうに感じることもあります。
 でも、そうやって失われた文化も──決して「廃れる」わけではありません。
 滅びることが必ずしも哀しいことではなく、「かつて、このような民族の精神がこの土地に宿っていた」とされながらも、それを伝え続け、その精神を語り続けていくこともまた、素晴らしいことなのかもしれないと、私には思えるのです。

 目に見えない民族の精神を、新たな時代においても伝え続けていく──これこそが、伝統を大切にしていくことと、言えるのかもしれません。


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プロフィール

篠崎由羅(しのざきゆら)

Author:篠崎由羅(しのざきゆら)
1970年生。幼少期から哲学・宗教学に造詣を深める。思想および思想史、それに付随した国際事情に興味を抱いて独学を続け、大学ではインド哲学科専攻。東西問わず、両者の思想に渡り研究を深める。

現在は看護師として施設で勤務しながら、その傍らで執筆活動を続けている。2016年11月にYOU are EARTH改め「WE are EARTH」の活動を再始動予定。より良い未来の地球のため、全力を尽くす誓いをたてている。

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