理想が問われる時代


「天使と人間(シュタイナー天使学シリーズ)」 著/ルドルフ・シュタイナー イザラ書房(99~103より引用)

 死後人間が比較的長い時間を過ごしたあと、まさに重要な瞬間がやってきます。このとき天使は、既にお話したような理想主義的な体験を通して私たち人間から受け取ったものを、大天使の手にゆだねるのです。人間はいわばアルヒアンゲロイ(大天使)の世界の前に立たされ、大天使は人間が既に誕生と死の間に霊的かつ魂的体験に関して発達させておいたものを受け取ることができます。私たちが死の門を通って運び込んだものを、天使は更なる宇宙進化のために大天使に手渡さなくてはならないのです。ところが人類進化のいまの時点では、理想主義的な感情や思考、そして人類愛に関して、死後ほとんど何もたずさえて来ない人々がいます。そのために死から新たな誕生までの時期に、人間一人一人の間には大きな相違が生じることになるのです。

(中略)

 死を通して、理想主義的な思想や、理想主義的な感情や、人間愛や、真の純粋な敬虔さに属するものを何もたずさえてこなかった人の場合、霊的なものや魂的なものの一部が、高次の世界の反感や、高次の世界の冷たさのために、消滅してしまっています。正しい方法で霊的かつ魂的にアンゲロイの領域に到達する人には、これから後再び地上で歩むことになる人生において、肉体の中に入り込みながら活動するための力が、霊的で魂的なものの中に内的に植え付けられます。これに対してアンゲロイは、このような魂や霊に関わる体験をたずさえてこなかった人には、地上の人生への憧れを、それがより無意識的に作用するように植えつけなくてはなりません。そしてこのような植えつけが行われるときに、極めて多くのことが決定されます。つまり、このような植えつけに際して、「次の地球上での人生において、どの民族のもとに降りていくか」、また、「どの言語の、どの母国語のもとに降りていくか」といったことが決定されるのです。そして、このとき、民族や母国語へのこのような衝動が「より内面的に植えつけられるか」、あるいは「より外面的に植えつけられるか」といったことも決定されます。その結果、「人間が地球上に降りていくときに、母国語への内的な愛によって貫かれているか」、あるいは「後に言語器官を用いて言語として表現しなくてはならなくなるものの中へと、より機械的に移されるか」という違いが生まれるのです。
「人間が言語に関して、この二つのうちどちらの方法で決定されるか」ということが、次の地球上での人生において大きな違いを生みだします。新たに地球上での人生を始める前に、アンゲロイの領域を二度目に通過していくとき、内的に、魂的に、そして愛情豊かに母国語への思慕の念に満たされている人は、この母国語を内面的に受け入れます。このような人は、母国語を自分の本質の一部分のように受け取るのです。(中略)
 ところが別の方法で適合していく人は──このような方法を、私は先程「より機械的に」と言いました──後に誕生を通して次の地球上での人生へと降りていき、地上に到達したときに、ただ本能的に、衝動的に言語を愛することを学ぶことになります。(中略)
 ある場合には、私たちは静かで純粋な愛と共に国民性に、そして言語の関係に適合していきます。このような愛は、民族性や言語と内的に結ばれている人だけが持ちうるものです。また別の場合には、私たちは言語や民族に、より機械的に適合していきます。その結果、私たちは衝動や本能の中から民族や言語に対する内的な愛を、無理矢理生じさせるのです。
 この二つの間には大きな相違があります。前者は世に言うショービニズム(※1)、つまり民族性の外面的な主張として現れることはありません。前生における理想主義的で敬虔な体験の中から実際に獲得された、民族や言語への内的で霊的かつ魂的な愛ごく自然に姿を現し、真の普遍的な人間愛と一つになることができます。四海同胞主義(コスモポリタニズム)的な、あるいは国際主義(インターナショナリズム)的な感覚が、言語と民族性に向けられたこのような霊的で魂的な愛によって歪められることは決してありません。これに対して、人間がより機械的に言語を適合することによって、言語や民族性に対する過熱気味で、有機的で、動物的な愛を本能や衝動と共に発達させる場合には、間違ったナショナリズムや、ショービニズム的な考えや、外面的な方法で民族性を自慢しようとする傾向などが生じるのです。

※1 熱狂的な愛国主義や民族主義を表す言葉



※注※天使という表現が含まれていますが、これを文字通り解釈するのではなく、あくまでも「シュタイナーの時代において妥当な表現だった」と捉えた方がいいと思われます。天使と言ってしまうとキリスト教的世界観しか通用しないように思われてしまいますが、いわば高次の霊、或いは高次生命体とお考えください。

 上記引用した箇所はシュタイナーの講演録「人間と天使、および高次のヒエラルキー存在の関係(1921年11月27日)」に含まれていたものです。講演内容の為、多少読みづらいかもしれませんが、私はこの中に現代を如実に描いた部分が含まれていると、そう思いました。
 本来はその前文においてもこの箇所に関連することがあるのですが、引用するには長すぎる上、かえって煩雑になるので省きました。要約して言えば、「人間は死後、天使(アンゲロイ)の領域と大天使(アルヒアンゲロイ)、そして根源なる者達(アルカイ)の元へと誘導されるが、生前理想主義的な生き方や思考に貫かれたか否かによって、来世における人生に差違が生じる」といった内容です。どのような差違になるかは、上記引用した文章に書かれてあるとおりです。

 私は昨今、よりグローバルに視野が広がる人たちと、ナショナリズム的になっていく人たちの二極化が激しくなっているように感じていました。勿論、このナショナリズム(国粋主義)化は日本に限ったことではなく、欧州などの各国でも進んでいるようです。
 何故、この時代にそのような二極化が進んでいるのか──人類は、実はすでに誤った道を選択してしまっているのではないだろうか、そんな迷いも頭をもたげます。
 しかし逆に言えば、こういう時代だからこそ、真の理想が問われるのかもしれない、そうも思います。

 口先だけで「戦争反対」「みんなで平和を」というのは簡単です。
 でも、実際に緊迫したギリギリの局面に置かれてもなおその言葉を叫べるかどうかと言えば、それはその人の勇気と信念が試されている──そう思えるのです。
 北朝鮮と韓国の緊張状態、ちょっと前までは中国と日本の問題──。
 時代は矢継ぎ早に、人類にむけて課題を投げかけていきます。
 それに対して、私たちが「どう向き合っていくか」──それは政治家の問題でも官僚だけの問題でもなく、私たちひとりひとりも「同じ星に生きる人類として」考えなければならないことだと、そう思います。具体的な行動に出なかったとしても、考えるだけで、話題にするだけで、何かが少しずつ変わっていくはずです。
 誰もが地球の細胞であり、誰もが地球の未来を創造していくことに関与しているからこそ、無関心でいてはいけないと思うし、また同時に「どんな人だって、無力ではない」そう思えるのです。

 今までにない程、国際情勢が緊迫しつつあるからこそ、「自分は、何を目指して生きていくか」が問われる時代になっているのだと思えます。
 私は、最期まで「地球そのものがひとつの生命体である」という考えを貫きます。どんなに視点を変えてみたところで、それ以上の答えが「ない」からです。
 何故、国境というものがあるのか──幼少期に地球儀を見て抱いた疑問は、未だに私の中で残っています。そして、その疑問が今の情勢すべてに響いていることも、実感しています。
 神の賽の目はすでに振られているのかもしれませんが、私は「地球はひとつの大地であり、ひとつの生命体であり、そこに生きるものはすべて兄弟である」という考えを貫いていこう──そう思っています。


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【参考文献】
天使と人間 (シュタイナー天使学シリーズ)天使と人間 (シュタイナー天使学シリーズ)
(1995/07/25)
ルドルフ シュタイナー

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プロフィール

篠崎由羅(しのざきゆら)

Author:篠崎由羅(しのざきゆら)
1970年生。幼少期から哲学・宗教学に造詣を深める。思想および思想史、それに付随した国際事情に興味を抱いて独学を続け、大学ではインド哲学科専攻。東西問わず、両者の思想に渡り研究を深める。

現在は看護師として施設で勤務しながら、その傍らで執筆活動を続けている。2016年11月にYOU are EARTH改め「WE are EARTH」の活動を再始動予定。より良い未来の地球のため、全力を尽くす誓いをたてている。

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