人は何故、祈るのか?

 以前も記事にしましたが、相変わらずドラマ「SUPERNATURAL」にハマっています。(参照記事:地獄は本当にあるのか西洋と日本における神と悪の概念
現在、エピソード完結部分であるシーズン5を見ている途中ですが(とはいえすでに続編が、アメリカでは放映されている模様)シリーズの前半に比べて、ことさらに「何が正義で、何が悪なのか」が主題になっている印象を受けます。

 こうした対極の二元性を求めたがるのは、アメリカ人の特徴かもしれません。日本人である私たちは、「すべてのものごとは簡単に善悪で割り切れるものではなく、善も悪も表裏一体の関係にある」という考え方をする傾向があります。その為、見ている中でどうしても首を傾げてしまうようなところもあるのですが、そういう部分もまた「民族性の違い」と思うと、興味深く受け入れることが出来ます。

 私がこの作品を見ていて不思議だったのが、「キリスト教文化である西洋人の方が、実は日本人よりも『神は死んだ』と思っている人が多いのではないだろうか?」という疑問でした。
 勿論、信仰としてのキリスト教は存続しています。しかし、心の内側ではプラグマティズム(実用主義)的発想の方がメインとなっていて、本心から「神に運命を託す」という信仰心ある生き方をしている人というのが、とても少なくなっているのではないか──と、このドラマを見ていて感じた次第です。

 そもそも、「神」とは何でしょうか?
 何故、私たちの思想の中にこれほどの絶対的存在感をもって、言語の違い、文化の違いを問わず、私たちの探し求める対象となったのでしょうか?

 その疑問を解いていく為に、まずは宗教のきっかけを想像してみましょう。
 当時、文化も文明もない時代において、絶対的な脅威であった対象は自然でした。
 人間の努力や意図に関係なく、寒波や日照り、或いは洪水などが突如訪れ、人々の住居や生活空間をなぎ倒していく──そんなことが、何度も繰り返されてきたことでしょう。ですから、当時の人々にとって自然は決して優しい存在ではなく、むしろ「脅威」に近かっただろうと推察出来ます。
 そうした脅威を鎮める為、祈るという行為が始まったのでしょう。
 その習慣がやがて「宗教」という流れを生み出したのは、想像に難くありません。
 場合によってはそうした祈りが、生け贄を必要としたこともあるでしょう。
 でも、それだって無理のないことです。何故なら、自然を「脅威」と感じた場合、そこに現れる祈りの背景は「恐怖から派生したもの」に過ぎないからです。自然の恵みに感謝する為の祈りも、勿論あったことでしょうが、おそらくそうした祈りは、比較的災害が少なかったり環境に恵まれた場所に限定されていたのではないかと、私は考えています。

 人類にとって「自分たちの努力では抗えない、絶対的な力」が存在しているうちは、祈りはその効力を維持していました。
 災害はもとより、疫病、飢え──そうした突発的事象が起こることに対し、人々は常に祈り続ける必要があったからです。 
 でも、「だとしたら、何故」、今でもその習慣が残っているのでしょうか?
 人類は文明を生みだし、脅威だった自然は、もはや恐怖の対象ではなくなった。宮崎駿監督の映画「もののけ姫」のラストに出てきた自然のように、それは人間と共存出来る姿に変わってしまい、もののけ達がいた恐ろしい自然は、すでになくなりつつあります。
 しかしそれでも祈り続けるのは、一体何故なのでしょうか?
 本来私たちは「自分たちの生活を、脅かさないで欲しい」と祈る必要性など、どこにもないのではないでしょうか?
 
 とはいえ、人類は未だ自立したとは言いきれません。
 冒頭で紹介したドラマの中では、ことあるごとに「神は死んだ」という台詞が出てきます。中には大天使が、「20世紀に比べて、21世紀が格段に良くなったとは思えない。これほど人類が無秩序化している現状をみれば、答えはひとつ。神は死んだとしか思えない」と言ったニュアンスの言葉を残していたり、或いは「人類が最終戦争に巻き込まれているというのに、神は何もしてくれない」というニュアンスの言葉が出てきたりします。
 私はこのドラマが好きですが、こうした言葉が出るたびに「それは、人類側の『依存』ではないだろうか?」と疑問に思えてしまうのです。

 今の時代、私たちに必要なのは「私たちを試みに合わせないで欲しい」と神に祈ることではなく、自分の足で立って、同じ星の上に住む兄弟達を助ける為に活動をすることなのではないでしょうか。
 そして神に捧げるのは感謝の気持ちだけで、充分なのではないでしょうか?
 それこそが、新たな時代を切り開く為に必要な「人類の姿勢」なのではないかと、私には思えるのです。
 
 幼い子供のうちは親が守ってくれたように、幼い人類にとっては、祈る対象である神が必要だったでしょう。
 でも、ここまで科学や文明を発展させておきながら「神様、助けて」というのは、ゲーム機だのインターネットだのを自由に使いこなしながらも「お母さん、お小遣いちょうだい」と言ってる大人と大差ないような気がするのです。
 神に祈るべきは日々の報告であり、感謝の気持ち──ただそれだけで、いいような気がします。
 
 ちなみに。
 「だったら、神って結局何??」そう思っている方も多いでしょう。
 それに関しては、明確な解答が出せません。
 そもそも、「神」というのは私たちが認識する上での「言葉」でしかなく、実存を示したものではありません。言葉は如何様にも表現され、また歪曲もされ、対立要素にもなりかねないところがあるからです。キリスト教信者における神はヤーウェであり、ムスリムはアッラーであり(キリスト教もムスリムも、根源的には一緒ですが)、神道であれば天照大神かもしれない。
 言葉で定義する以上、神は「無数にいる」としか言えませんし、また、私たちは言葉を通じての表現方法しかない為に、実存そのものを顕すことが出来ないのです。あえて言えば「無数」であり、「相対的」である──存在する人類の数だけ、「神がいる」とも言えてしまいます。
 なので、皆さんそれぞれにとっての「神」がいて、正しいわけです。「あなたの神は、嘘の神様だ」「いや、あんたが言ってる神こそ、嘘の神様だ」ということは「起こり得ない」のですから。

 なので、あくまでも私個人の考えを言うとしたならば──
 神とは生命そのものではないかと、そう思っています。
 あらゆる生命の中に含まれている、永遠の法則性。そこに目的はあっても、人格はない。ましてや、一部の民族だけを「えこひいき」するようなこともない。ひとつの血族を特別視することもない。
 そこにあるのは「感情」ではなく、絶対的な「愛」であり、同時に「冷徹さ」でもある。何故なら、生命は「愛」ばかりではなく、場合によっては冷徹に感じられる側面もあるからです。自然などは、そのいい例かもしれません。
 私たちは「神の写し鏡(生命の写し鏡)」であり、「神の一部(生命の一部)」であり、かつ、どんな生物にも、神は宿っていると言えるように思っています。

 子供がいつしか独り立ちして大人になるのと同じように、私たち人類も「親(神)に祈って助けてもらう」という考え方をやめて、自分の足で立ち上がることが必要なのではないか、そう思えます。
 子供が大人になって初めて親の気持ちが分かるようになるのと同じように、人類もひとりだちして初めて、本当の意味で「神と向き合える(神を知る)」ことが出来るのかもしれません。


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2010-11-29 | 真理 | トラックバック(0) |
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プロフィール

篠崎由羅(しのざきゆら)

Author:篠崎由羅(しのざきゆら)
1970年生。幼少期から哲学・宗教学に造詣を深める。思想および思想史、それに付随した国際事情に興味を抱いて独学を続け、大学ではインド哲学科専攻。東西問わず、両者の思想に渡り研究を深める。

現在は看護師として施設で勤務しながら、その傍らで執筆活動を続けている。2016年11月にYOU are EARTH改め「WE are EARTH」の活動を再始動予定。より良い未来の地球のため、全力を尽くす誓いをたてている。

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