「エゴ」と「自個(自分の個性)」の違い

 最近実感することが多いのですが、どうも「エゴ」「自己」を混同している方が散見されます。
 エゴというのはいわゆる「我欲」です。支配欲、独占欲はもとより、「評価されたい」という欲や「注目されたい」という欲、「いい人だと思われたい」というのもエゴに含まれるでしょう。
 私はこのブログを始め、リアルな場においても「エゴは出来るだけ削いだ方がいい」ということを話していますが、そうすると「自己も、なくさなければならない」と思ってしまう人がいるようです。
 が、これは「とんでもない間違い」です。
 自己は、いわば「自分を成している霊性」とも言えるもので、これをなくしてしまうことは不可能ですし、また逆に「これをエゴとしてしまう」と、他者との境界が曖昧になってしまうだけでなく、自分の意見が見えなくなってしまい「根無し草」のようになってしまいます。この状況を例えて言えば、流れの速い河で、溺れるように流されていくのと似ているかもしれません。「想念の蠢き」が速い現在は、人々の想念がまさしく「河の流れ」と同じようなものですので、自己をなくすことにより、周囲の人々の想念に流されてしまいがちになり「河(想念)で溺れている」のと同じ境遇を作り出してしまうように思えます。

 分かりやすいよう、例を挙げてみましょう。
 あるAさんという女性がいました。
 Aさんは以前から他者の意見に流されてしまいがちなところがありましたが、「他者の意見を何でも受け入れる自分は、善人である」という錯覚にも陥っていました。
 「他者の意見を受けいれる自分は善人」というのはひとつのジャッジであり、これは「エゴ」に通じるものです。ですが、Aさんはそのことに気付いていないようでした。
 「エゴはいけない=自分を持ってはいけない=他者の意見を、何でも受け入れなければいけないと勘違いしたAさんは、あらゆる人々の無理難題を受け入れ、それがうまく行かないと毎日のように愚痴や不平不満を言うようになりました。
 人との関係というのは反射鏡のようなものなので、自分がエゴから接した相手から汲み取れる関係性も、同じように「エゴから派生したもの」になりがちです。Aさんはその渦中に、入り込んでしまったのです。
 苦しい状況に追い込まれれば追い込まれる程、人は「その状況から脱したい」と強く願うものです。ですが、そういった状況からの根本脱出を試みる為には、まず自分自身を省みることが必要でしょう。
 しかし、Aさんはそこから逃れる為に多くの不満を排出し、周囲の人や環境が自分の苦難を生み出していると非難することで「少しでも、自分の負担を軽くしよう」と計りました。その結果、ますますエゴに雁字搦めになっていってしまったのです。

 本来、こうした図式から抜け出す為に必要なのは、他者の意見ではなく自己の意志です。
 自己は、エゴに通じていません。
 私たちは、この世に誕生する際、「あるひとつの目的意識」を持って生まれてきています。この世に生まれる以上、どんな人であれこの世で果たすべき自分なりの目的があるはずです。
 そして、その「目的を達成する為の意志」こそが、自己なのです。
 これが「エゴにイコールとはならない」というのは、何となくでもお分かり頂けると思います。
 「自己」とは、そこに虚栄心や欲など「負のおかざり」がつかない純粋なエネルギーであり、
 「エゴ」はそうした目的意識のない、いわば「負のおまけ」でしかない
のです。
 もっと分かりやすく言えば、「自己」はひとつの方角を指す「エネルギーの方向性」であり、
 「エゴ」は、「方向性がない、ふき溜まったどんよりしたもの」と言う感じでしょうか。

 Aさんのケースの場合、「ふき溜まったエゴ」に翻弄され、「純粋なエネルギーの方向性を見失ってしまった」のです。
 勿論、これはどんなに明確な目的意識を持っている人でも、状況や場合によって一時的に方向性を見失うことは多々あります。
 しかし、「自己(目的意識の方向性)」を明確に持っている人であれば、どんなにふき溜まったエゴが暗雲をもたらしても、雲の上では、道を指し示す星がいつも照らしていることを知っているので、遅かれ早かれいつしか道に戻ることが出来るでしょう。

 最近、どうもこうした「自己とエゴの境界が分からず、想念の速さに翻弄されてしまう人」が多々見受けられる気がします。
 もしかしたら、「自己」という漢字から受ける印象も良くないのかもしれません。ここでいう「自己」は己(おのれ)に属させようとさせる支配心を言うのではなく、あくまでも「個性」──いわば「自(分の)個(性)」です。おなじ「じこ」という読み方なら、自己ではなく「自個」と書いた方が意味が煩雑にならなくていいのかもしれません(笑)。

 もし、自分が「他者との境界を見失っている」或いは「何かに翻弄され続けている」ような状況下に陥ったら、自分自身に、問いかけるのが一番だと思います。

 自分はこの状況下で、どうしたいのか?
 自分はここから先、どうなりたいのか?
 自分が信じているこの意見は、本当に自分の意見なのか?


 神は、人々すべてに宿っていると言われています。
 そうであるならば、「自分」を蔑ろにすることはイコール「神を蔑ろにすること」にも繋がりかねません。
 日本人は特に、「自分」というものに否定的な傾向がありますが、日本民族の持つ「伝導体気質」を活かしつつ自己ならず「自個」を持つのは、充分に可能なはずです。
 自個がなければ想念に流され、ふき黙ったエゴのエネルギーに呑み込まれてしまいかねません。情報の展開が早く、同時にこれだけ多くの情報網がある時代だからこそ、明確な「自個」を持ち、エゴとの境界を認識しているのが大切だと思える昨今です。 

【お知らせ・1】
 受験の状況はだいぶ落ち着いて来たのですが、別件で急激に多忙になってしまい、一週間ほど更新が空いてしまいました……。
 おそらくこの状況は3月末頃まで続くと思われますが、出来る限り時間をとって更新を続けていきたいと思っています。
 また、小説サイトのINDEXでお知らせしたとおり、多忙になってしまった関係で日曜日、週一回の更新に変更させて頂きました。ただし、3月末までの予定がかなり過密スケジュールの関係で、この時期だけは不定期(隔週更新になる、など)になる可能性が高いです。こちらはまた予定が決まり次第、小説サイトの方でお知らせ致します。


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プロフィール

篠崎由羅(しのざきゆら)

Author:篠崎由羅(しのざきゆら)
1970年生。幼少期から哲学・宗教学に造詣を深める。思想および思想史、それに付随した国際事情に興味を抱いて独学を続け、大学ではインド哲学科専攻。東西問わず、両者の思想に渡り研究を深める。

現在は看護師として施設で勤務しながら、その傍らで執筆活動を続けている。2016年11月にYOU are EARTH改め「WE are EARTH」の活動を再始動予定。より良い未来の地球のため、全力を尽くす誓いをたてている。

【篠崎編集担当】


【篠崎の著作本】

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