分解すればする程、『自己存在』の謎は残る

 早くも暦はGWに突入しましたが、皆さんはこの連休如何お過ごしの予定ですか? 
 私はこの連休期間で溜まっている執筆を済ませ、その他は学校の課題と復習に明け暮れる予定です。ゴールデンウィークならず、「がんばれウィーク」です……(涙)。

 震災の影響による地殻の変動で関東にも大地震が起こるのではないかと言われたり、太陽が突如活動期に入ったり、アメリカで未曾有の竜巻被害が起こったりと、去年よりもまた一段と今年は変動が激しいように感じます。
 ですが、ずっと前の記事にも書いたようにどんなに波が荒れ狂っていても、穏やかな深海の境地でいることは可能だと、そう思います。どこでも、どんな時でも──。
 例えば、喧噪に満ちた都会の真ん中でふと静寂を感じてみたり──或いは、何かに急かされて慌ただしくしていなければならないような時に、ふと「時間が止まっている」ような感覚を覚えることなど、皆さんにも時折あるのではないでしょうか。
 私はそうした「深海のような静寂」こそが、「今」という瞬間の中に存在する永遠を感じている時なのだと、そう思っています。
 以前も書いたように「今に生きる」というのは刹那的に生きるとか、後先考えずに生きるということではなく、「今」の中に存在する壮大な歴史と、永久に続く未来を感じ取ることなのだと、私はそう解釈しています。時間は映画のフィルムのような連続的なものではなく、「一瞬」という中にすべて含まれている──そう感じると、不思議なことに恐怖も焦りも消え、そこにはただ「自分」という存在だけがいるのを感じ取れるような気がするのです。

 そう思った時。
 ふと、疑問に感じました。
 「一瞬の中に永遠を見ているのは、果たして何(誰)なのか」と。
 
 こうした問いの答えを、多くの哲学者、心理学者達が希求してきました。
 もっと分かりやすく言ってしまえば、「『私』って、何ですか?」って言葉に集約出来るかもしれません。
 多くの事件が起きて、様々な哀しい事象が起きて──世界中に嵐が吹き荒れている中、その中に立っている「私って、何なんでしょう」と。
 勿論、ここでいう「私」というのは篠崎単体をさしているのではなく、「みなさん個々における『自己存在』」をさしています。
 ですが、「人間」という言葉で置き換えることは出来ません。それは「私」という内側をみる呼び名ではなく、あくまでも生物学的分類でしかないからです。ここで私こと篠崎が拘っているのは、「私」とは「人間単体」という括りではなしに、相対的空間に閉じこめられている自己存在であるという前提に立ちたいということなのです。

 「私って、何だろう?」

 そんなふうに、皆さんも考えたことありませんか?
 そもそも、今世界で起きている現象を見て「哀しい」とか「何とかしたい」とか、そんなふうに感じている「この私そのもの」って、一体何なのだろう──。「私」というのは、何で出来ているのだろう? マザーグースにあったように、砂糖で出来てたり蜜で出来てたりするのが「私」なのだろうか?

 もう何世紀も前から問われ続けてきた「根源の問題」が、21世紀になった今でも「あやふやなままになっている」というのは、何とも奇妙な話です。
 そもそも「ここを定義しない限り、何も始まらないのではないか」とさえ思えます。
 医学も科学も「魂なんてものは存在しない。前世なんてものもない。すべては脳でつくられる」なんて叫ぶ割には、根源的に「『私』とは、どういう現象なのか」を理論的に証明出来てないから片腹痛いですね。

 とはいえ、私ははなっから西洋医学や科学を否定しているわけではなく、むしろ「見えない世界」を探究する為には、まずは「見える世界」を徹底して探究すべきだという視点に立っています。
 これと同じニュアンスのことをルドルフ・シュタイナーも言っていて、彼は門下生達に、「自然科学」として周囲にあるあらゆるものをスケッチさせることから、神秘世界の勉強をスタートさせたそうです。そして、「植物を描く時は、大地に埋まっている根までも描け」と言っていたのだとか。要するに、目に見える法則性の中にあるものは、目に見えない領域にいっても法則性として残されているから、「目に見える大地の上の植物をきちんと観察出来れば、その法則性から大地の中にある根の生え方も分かるはず」という視点に立っていたわけです。
 私も、シュタイナーのこの言い分が分かる気がします。
 高次元となれば、確かに私たちの次元では想定出来ないようなことも多々あるでしょう。しかし、その法則性は決して今の次元の法則性を逸脱しておらず、ただ「より複雑性が増しただけ」なように思えるのです。

 例えば、タンパク質を合成する「アミノ酸」の分子配列でみてみましょう。
 この配列は二次元的な「一次構造」から始まって、折り重なるような「二次構造」、さらに立体になるような「三次構造」「四次構造」といった段階があります。
 平面的な一次構造と、より複雑な四次構造を比較した場合、四次構造と一次構造の配列が「大きく違うか」といえば、そんなわけではないのです。一次構造の一部が、特殊な結びつきをしたのが高次構造なのであって、一次構造の配列はどんなに高次化しても基盤の中に残されています。

 私たちの次元も「同じような仕組み」なのであれば、私たちの次元における法則性が高次にいけば「まったく関係なくなる」といったわけではないのだと思えます。
 そうした意味でも、この次元(物質世界)を構成している要素を科学的に学ぶというのは無駄なことではないどころか、高次元や目に見えない世界を探究するには「必要不可欠」と言うことも出来るでしょう。ルドルフ・シュタイナーにしろ、スウェーデンボルグにしろ、物理学の権威だった人達がのちに神秘思想や精神世界の代表者となったことを思えば、うなずける気がします。

 私たちはいつでも、この「法則性」の中に生きています。物質世界に生きている以上、どんなに抗いたくてもこの法則性からは逃げられません。
 例えば、一羽の雀が飛び立とうとした時──その雀は「飛びたい」という意志だけで飛んでいるわけでは決してありません。「飛ぼう」という意志が神経伝達物質を放ち、それらが筋肉に作用して飛び立つまでの道程に至るのです。
 また、「飛びたい」という意志も風の向きなどにも影響しているでしょうから(勿論、そんなこと雀にとっては無自覚でしょうが)ここでも大気の法則性に拘束されていることになります。

 私たちの肉体においても、同じことが言えます。
 私は今、PCに向かってテキストを打ち込んでいますが、私が「考えていること」が神経を通じて指先まで届き、その指先を動かす為に上腕の筋肉が動いて、そうすることでこうやって文章を打ち込むことが出来ています。
 造作ない日常的作業のように思えますが、実際この作業に関わる細胞は数え切れない程存在し、それらが一丸となって動くことで、私はこの文章をこうして残すことが出来ています。その作業に関わる細胞、臓器、どれがひとつ欠けたとしても、私はこの記事を書くことが出来ません。
 また、どんなに体が動いたとしても、仮にPCが動いてくれなければ元も子もありません。先程の雀の例と同じように、私たちは「何かひとつの動作をする為にあらゆる法則性を駆使して作業し、かつ、他の法則性との連動によってそれをようやく成し得ることが出来るのだ」ということを実感出来ます。

 しかし──ですね。
 どう考察しても、この「物理的な法則性」から、精神の閃きは「解き放たれている」ように思えるのです。
 精神の中で起こる閃きは、物理的法則性と「まったく無関与」というわけではないでしょう。むしろ連動し合っている部分もあるように思えます。(「マトリクスエネジェティクス」にあったように量子領域を主に考えるのであれば、精神が主で、肉体が従ということにもなり得るでしょう。)
 例えば、「私」という存在を分解に分解しまくって──それこそ「一片の細胞」まで分解して考えたとしましょう。
 私の臓器、筋肉、神経組織とを分け、脳から発せられた「文章を書け」という信号が神経から指先まで届く流れを図式化出来たとしても、どうしたところで「文章を書け」といったその根源の存在を、物質的肉体だけでは証明しきれないように思えるのです。
 「人間のこころは、脳の電気信号だけで生まれる」と、そう断言出来てしまう人がとても不思議でなりません。まるで「天動説が当たり前なんだ!」と信じている人達を見ているかのような、そんな気がしてしまうのです。  

 そうなると、やはり「文章を書けと命じた本体」である「私」という存在は、「一体なに?」という出だしに戻ってしまうわけです……。

 分子構造、DNAの配列、細胞学、臓器と神経の関係性──人間の肉体を「これ以上分解出来ない」という段階まで分解し尽くしても、きっとこの問いは「残されたまま」になるだろう──そう思います。
 それは、「人間の存在を紐解くには、物質的次元を超える必要がある」すなわち「人間存在そのものが、物質的次元を超えたものだから」なのかもしれません。
 様々な問題、様々な事象が起こっている今だからこそ──私たちはもっとも根源的な問題、「私とは何なのか」に立ち返る必要があるのかもしれませんね。


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2011-04-30 | 真理 | トラックバック(0) |
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プロフィール

篠崎由羅(しのざきゆら)

Author:篠崎由羅(しのざきゆら)
1970年生。幼少期から哲学・宗教学に造詣を深める。思想および思想史、それに付随した国際事情に興味を抱いて独学を続け、大学ではインド哲学科専攻。東西問わず、両者の思想に渡り研究を深める。

現在は看護師として施設で勤務しながら、その傍らで執筆活動を続けている。2016年11月にYOU are EARTH改め「WE are EARTH」の活動を再始動予定。より良い未来の地球のため、全力を尽くす誓いをたてている。

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