父が亡くなってから数ヶ月後、夢の中で父と会いました。
その時はいつものような体外離脱感覚がなかったのであえて夢と表現しましたが、風景は離脱した時に見るのと同じような光の世界でした。すべてのものが発光しているような、美しい光景です。
目が覚めた後、父の魂が「いい世界に行けた」ということを確信しました。私は幼い頃から、浮かばれていない霊の姿を見たり、気配を感じることが多々ありました。しかし、父に関しては(脳死状態でまだ肉体が生きていた時には、たびたび気配を感じましたが)亡くなった後はまったくこの世で遭遇していなかったのです。
生前の父の行為は、決して「素晴らしいもの」とは言い難いところがありました。それどころか、ある種の汚点も多々残したような人生です。どのようなことがあったかは申せませんが(個人情報やプライバシーの保護は、弁明する機会が持てない故人にこそ必要だと、私は考えています)、少なくとも「一般的」と言われるような生活からは掛け離れていた──とだけ、言っておきましょう。
それに気付いた時、私は
「死後、いい世界に行けるか行けないかは、『行い』が関係してくるわけではないのだ」ということを学んだのです。
17世紀の大霊能者スウェーデンボルグも、多くの霊界日記の中で「生前の行いと、死後に辿り着いた霊界の差違」について多数の記録を残しています。
スウェーデンボルグ曰く、「生前聖職についていた者が、地獄にいるケースが多々見られた」のだとか。そうした牧師達はスウェーデンボルグに対して「自分が生前、如何に神に尽くし人々に貢献したか」を語るそうですが、ほとんどの場合そうした人は「自分に陶酔しているだけ」だったり、その他名誉や体裁ばかりを尊び、本当の意味で神に帰依していたわけではない──などといった裏事情があったのだそうです。
──わからなくもありません。
私たち日本人は元来「宗教」というものが根強くないので、こうした事例はあまりピンと来ないかもしれませんが、現代の地位や名誉でいくらでも置き換えは可能のように思います。
例えば慈善活動をしている人達の中で、「私は生前、これだけ多くの貢献をしてきた」という人が、実は死後「ただの見栄でやっていただけだった」など魂の本質が暴かれるかもしれません。「魂の本質」を偽り、あたかも「ひとの為に役立っているんだ」という正当性をかざそうとしている人は、上記スウェーデンボルグが会ってきた「地獄にいた牧師達」と大差ないかもしれません。
ちなみに、多くの方が誤解されているようですが、スウェーデンボルグの言う天国や地獄というのは「外部から罰せられたり、評価されるもの」ではありません。
神も天使も、誰も人間を裁判しません。言うなれば、天国に向かうも地獄に向かうも
その人の選択次第ということです。
だから、こうも言えるでしょう。
スウェーデンボルグが会った牧師達は、スウェーデンボルグの目から見て地獄と思えるようなところにいても、彼らは「天国にいる」と思ってるのかもしれない──。
要するに、「天国か地獄か」を決めるのは神でも天使でもなく、ましてや生前の行いや「世間を尺度とした評判」でもない。あくまでも
自分自身の心根でしかないということです。
私が父と夢で会った時、父は30代ぐらいの一番活き活きしていた頃の姿をしていました。景気が良かった頃、父はたびたびマイクロバスを借りて、親族、教え子達、或いは母の茶道教室の弟子などを旅行に連れて行くのを生き甲斐としていたのです。その時もマイクロバスの中で、すでに亡くなった父の友人達が数人乗っている中で観光を楽しんでいました。
その姿は──とても幸福そうでした。
私はスウェーデンボルグのような大霊能者ではないので、父が霊界の階層のどこにいるかまでは分かりません。しかし、少なくとも「幸福そうな姿」が見られただけでも、私は「よかった」と安堵しています。
スピリチュアルをかじった人達の中には、霊界の階層だの幽界の階層、或いはアセンションした「次元のレベル」などに拘る人がいますが、そんな尺度に囚われるのは
「無意味」だと私は思います。
何故なら上下という価値観自体が、この次元に限定されたものでしかないからです。(実際霊界の階層にいる人達も、他者の霊と自分を比較したりなどということはまずしていないはずです。)
仮に霊界の尺度があるとしたら──幸福そうな笑顔が見られるか否か、これに限るような気がします。
霊が清らかな状態でなければ、まず笑顔はつくれない──すなわち、それこそが
「その人が培ってきた霊の本質」だと、そう思えるからです。
死後、自分がどのような霊界に行くのかと気になさる方もいると思います。その時は、このような問いかけが効果あるかもしれません。
「あなたは肉体を脱ぎ捨て霊体だけになった後も、笑顔になれる自信がありますか?」 ●多くの方に、「真剣な目で地球人類の進化に意識を向けて欲しい」と、強く願っています。
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