霊的メタボリックシンドローム

 「メタボリックシンドローム」という言葉は巷でもよく聞かれる言葉ですが「もしかして…この人は今、霊的メタボ状態なんじゃないかなぁ…」と感じられる人がここ最近増えている気がします。

 メタボリックシンドロームとは生活習慣病から派生した内臓脂肪型肥満に、高血圧・高脂血症・高血糖の二つ以上を合併した状態をさしています。霊的メタボリックシンドロームというのは篠崎の造語ではありますが、「目に見えないエゴという贅肉がたくさんついてしまっている」──すなわち霊(魂)的に思考停止状態の人のことを指しています。

 前の記事にも書きましたように、宇宙の生命の原則は「動く」ということにありますので、存在している以上「動きを止める」ということは出来ません。上向きに動くか、下向きに動くかはその人の意識状態によりますが、いずれにせよ「自覚がなくても、人は常に動いている状態」にあるのです。
 自ら勢いよく動いていれば外敵からの侵入をある程度は防げますが、動きを止めている状態であれば隙だらけとなって、外敵から無防備な状態になってしまうでしょう。そうして「思考」に余計なもの(エゴ)を沢山つけて贅肉状態になってしまったことを霊的メタボリックシンドロームと呼ぶようにしています。
 いわば、霊(魂)の生活習慣病です。

 人間の生活習慣病は、食事・運動不足・喫煙・飲酒といった様々な因子がありますが、霊的な生活習慣病も同じような因子があるように思います。
 そのひとつに、ネットで気軽に情報を得られる環境というものが挙げられるように思います。
 ネットには様々な情報が載っていますが、私たちが何かを学ぶのに必要なプロセスは情報を見ただけでは得られません。
 本来知識というものは、その知識に到達するまでのプロセスや背景、段階など色々なものを含んでいます。しかし、ネットで得られた情報はあくまでも「結果」でしかなく、その結果に至るまでの過程や前提を踏まえたものではありません。
 ネットだけに頼っている人は、そうした過程や前提を吹っ飛ばして、結果だけを知ろうとします。
 ちょっと囓っただけで「すべてを網羅した」と勘違いする人が、この霊的メタボになりやすい傾向にあるように感じられます。そうした人は切磋琢磨する苦労を遠ざけて「過程や前提を吹っ飛ばして『結果』だけ」を求めようとするので、ちょっとしたことで傷つき、挫折してしまう──いわゆる「打たれ弱い人」になってしまう傾向があるように思います。打たれ弱いことでしばらく思考停止状態になると、またそこにエゴが入り込みやすくなる──この悪循環です。

 特にこうした状況は、20代の若い世代にほど起こりやすい印象を受けます。
 肉体的な生活習慣病は中年以降なりやすいと言われていますが、霊的な習慣病はもっとも霊的発達を遂げる時期である20代の方が起こりやすく思えるからです。
 ルドルフ・シュタイナーは霊的な成長を7年周期で捉えていますが、14~21歳まではアストラル体の成長時期であり、28歳までが自我の発達──すなわち「肉体・エーテル体・アストラル体・自我」の四つの過程の一段落が終了する重要な時期というのが20代と言えます。こうした時期に霊的な発達を遂げないことで、霊的メタボリックシンドローム──いわゆる「霊的思考停止状態」に陥るのではないか、そんなふうに感じています。

 また、先日若い世代に「承認欲求」が強くある──という記事を目にしました。その承認欲求が強くなりすぎてしまい、どこからもそれを充たされることのない状態で苦しんでいる人たちが増えている、というのです。
 私は学校で20代、30代の学生と一緒に勉強していますが、確かに若い世代の子達に「承認欲求が強くある」というのは感じます。周囲や他者の意見を尊重するというよりも、とにもかくにも「自分はこう思った」という主張をやたらに通そうとする人達も散見されるのです。
 自分がどう思ったかを伝えることはとても大切です。しかし、「相手が何故、そう思ったのか。そして、自分はそれに対してどう感じたのか」ということを意識しながら意見を主張することもとても重要なことです。ですが、この時期においてはあまりそういうことは関係ないのかもしれません。

 アブラハム・マズローは、欲求には五段階あると説明しており、一番低次の欲求を「生理的欲求」、その次の段階を「安全の欲求」、その次を「所属と愛の欲求」、その次に「承認(尊重)の欲求」、そして一番高次の欲求を「自己実現の欲求」としました。
 いわば承認欲求はこの「第四の欲求」に位置していると言えます。

 しかし、どんなに承認や尊重を渇望しても、自分が自分を承認しない限り、先に進めないのです。
 私にも、そういう時期が確かにあったような気がします。いわばそれが私にとってのモラトリアムな時期だったようにも思えますが、本能的にがむしゃらに藻掻き続け、動きを止めなかったおかげで何とか今に辿りついたような気がしています。

 人には必ず、モラトリアムな時期というのがあります。
 それは学生という立場であるなしに関わらず成人するための大切な通過儀礼であると私は考えています。
 しかし、それがあまりに長く続きすぎると、人は立ち上がるタイミングを見失ってしまうものかもしれません。時が経てば経つほど、動き出すことに勇気を倍持たなくてはならなくなるでしょう。
 
 霊も肉体も、物質かそうでないかの違いしかなく、結果的には「運動不足」は良くないのだと思います。
 承認を得たいにせよ、尊重されたいにせよ、まずはとにかく社会に出て切磋琢磨して、人間性を磨いていくことが大切だと感じる今日この頃です。


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プロフィール

篠崎由羅(しのざきゆら)

Author:篠崎由羅(しのざきゆら)
1970年生。幼少期から哲学・宗教学に造詣を深める。思想および思想史、それに付随した国際事情に興味を抱いて独学を続け、大学ではインド哲学科専攻。東西問わず、両者の思想に渡り研究を深める。

現在は看護師として施設で勤務しながら、その傍らで執筆活動を続けている。2016年11月にYOU are EARTH改め「WE are EARTH」の活動を再始動予定。より良い未来の地球のため、全力を尽くす誓いをたてている。

【篠崎編集担当】


【篠崎の著作本】

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