「痛み」は、人間にとって最大の学び

 昨日は体調不良により、ブログをお休みさせて頂きました。
 もともと篠崎は健康体ではなくて――もう二十数年に渡る間、重度な婦人科疾患を抱えています。今回はそれに加えて発熱が続き、昨日はその高熱に至る前段階で「七転八倒」する激痛を味わっておりました。

 インフルエンザとか、酷い風邪で体験した人もいるかもしれませんが――高熱を出したり、出す前になると「体の全身が痛むこと」ってないですか? 私の場合、そういう症状に陥ることが時たま(って言っても、数年に一度程度ですが)ありまして、昨日はまさに「その状態」でした。
 とにもかくにも、「全身が『痛い』」。
 何て表現したらいいのか分からないぐらい、腕も、足も、背中も、あらゆるところが「ギリギリ」と痛むのです。起きていることは出来ないけれど、寝ていることも出来なくて、呻きながら文字通り七転八倒――その様相に気づいた親が起きてきて、深夜「救急車を呼ぼうか」という騒ぎにまでなりました。

 私はひとり暮らしの経験が長く、大体「何故、こんなふうに体がおかしくなるのか」は自分でよく分かっていました。ひとりで暮らしている最中に、何度か同じようなことがあったからです。
 でも、親は私が「何故、そんなに苦しんでいるのか」が分からなくてとにかくあたふたしていました。
 そりゃそうですよね、唸りながら目の前で転がり廻っていたら、見ている方はたまったもんじゃありません。だから親には、「おそらくもうすぐ、高熱が出る。出てしまえばこの痛みは治まるから、心配しないで」とだけ告げて、ひたすら、痛みと闘っていました。

 痛みと闘う時間――。
 これほど、孤独な時間はありません。
 私は重度の婦人科疾患を永年味わっている分、痛みとは「ライバル」とも言えるぐらい、つきあいが長いです(苦笑)。
 究極の「痛み」を味わったことがある人であれば、その痛みの中で「自分が世界からたったひとり浮き出されている」ような思いを抱いたことがある人もいるでしょう。
 痛みって、それほど「絶対的なもの」なのです。決して「相対的」ではない。
 「絶対的」だけれど――「緩和すること」は可能です。
 それは、西洋医学的治療でもなければ、薬物治療でもない。

 人の「優しさ」と「思い遣り」です。

 人は「思念の生き物」といいますが、その通りだと思います。
 絶対的な「痛み」でさえも、周りの思い遣りや痛みに対する共感だけで、その人を「救う」ことが出来るのです。
 私が昨日味わっていた痛みは、本当に「高熱が出ない限り、治まらない痛み」だと分かっていました。(事実、その後39.4度の高熱を出しましたが――出た後は、そこそこスッキリしてしまうのです。……朦朧としていたので、その時何をしていたのかの記憶はあまり残っていませんが。)
 でも、そこに至るまで「約5時間」。
 私はずっと、苦しみ続けました。
 それは本当に孤独な時間で――世界中で自分がたった一人はじき出されたかのように、ただひたすら痛みと向き合う時間でしかありませんでした。
 痛みに慣れているはずの私でさえも、とても辛い時間――。
 しかし、その中で、両親が私の痛みを気遣い、その痛みを何とか和らげようと必死に努力しているその姿が、私の「痛みによる孤独感」を和らげてくれたのです。

 こういう時、「西洋医学というのは、本当に肉体を『物質』としてしか扱っていない」そう実感します。
 私は去年の秋にも、貧血を起こして帰宅途中駅で倒れ、救急車で運ばれたことがありました。
 その際、救急隊員の人の対応、および行った先の病院の対応が「あまりにも冷酷」で、それ以来、私はいっさい病院というものを、信用しなくなりました。※貧血で倒れて運ばれたのに、病院は「ベッドがない」という理由で、私を追い出しました。その後、神田駅で再び私は動けなくなってしまい、親が横須賀からわざわざタクシーで迎えに来る羽目となったのです。病院の医者よりも、神田駅で私を休ませてくれた駅員さん、駅長さんの方が遙かに優しく、遙かに人道的でした。
 勿論、たまったま私が出逢った救急隊員の人と、病院の医者が不親切だっただけかもしれません。たまったま、巡り合わせが悪くてそういう人と出逢っただけかもしれませんが――少なくとも「病人に不親切で、事務的な人がいる」というのは、揺るがしがたい真実です。そうでなければ、出産間近の妊婦を病院が受け入れ拒否をして、母子共に亡くなるなんて事件、皆無になるはずでしょうから。

 人はいつから、「物質」になったのでしょうね。
 「薬を与えりゃ、何でも治る」そんなふうにしてしまったのは、一体誰なのでしょうか?
 「相手の痛み」「苦痛」に対して、あまりにも無関心で、あまりにも事務的になったのは、一体いつの頃からなのでしょうか?
 「死に逝く者」の孤独感や淋しさを分かってあげることなく、冷たく無機質な病室の中で閉じこめるような、そんな死生観に至ったのは、一体いつのことなのでしょうか?

 私は昨日のような痛みを味わうたびに、「ああ……。痛みに感謝したい」そう思います。
 それはマゾでも何でもなくて(苦笑)、「他者の痛みに無関心になるぐらいなら、生きている価値などない」そう思うからです。
 事務的に患者を見て、相手の痛みを想定しない――そういう人は大方にして、「痛みを知らない人が多いはず」です。もし「病気の苦しみ」を知っているのに相手の痛みを想定出来ないのだとしたら――大変申し訳ないけれど、その人の心は「おサルさん以下」だとしか、言いようがないでしょう。

 痛みを味わい、その痛みを和らげるのが人の優しさであり、共感であることを、私は永年の経験で学ばせてもらいました。
 「痛み」は、仏教で言うところの「四苦」――生老病死に、すべて含まれます。

 生きているから、「痛み」を感じる。
 老いれば、肉体が衰え「痛み」を味わう。
 病になるから、「痛み」が襲う。
 死ぬ前には、「痛み」を通過する。

 すべては「痛み」が苦の根源に存在します。
 しかし、逆に返せば――この「痛み」こそが、学びの過程であると……そうも思うのです。
 肉体がなければ、痛みを感じる必要もありません。そもそも、四苦そのものがなくなるのだから。
 だとしたら、私達が「痛み」を学べるのは……生きているからこそ、なのでしょう。

 昨今のスピリチュアリストは、綺麗事しか唱えない人も少なくありません。
 しかし、現実世界で生きている以上「痛み」からは逃れられないのです。
 そこに「蓋をしてしまう」ぐらいなら、私はその痛みと真正面から向き合い、それを「乗り越える方法」を探したい。
 世の中には、私が味わう痛みなんて比べものにならないぐらいの苦痛を味わっている人達が、まだまだ大勢います。難病に苦しみ、健康から遠ざかって、苦痛と向き合わされている人達も大勢います。そういう人達に表層的なスピリチュアルを唱えて「あなたも神の子供です」「あなたはすでに、光の中にいます」。
 こんな言葉だけで、果たしてその苦痛を緩和出来るでしょうか?
 痛みの直中にいる人達が望むもの――それは、「自分が味わっている痛みへの『共感』」なのです。

 痛みは、人が「肉体を持って生まれている」ことに対する「根底にある原動力」なのです。これを味わうことこそに、肉体を持つ意味があるのであって――そこから目を背けることに意味があるわけではないと、私には思えます。
 痛みや苦痛から復活するたびに、私の中では「もっと真剣に、地球や人類の進化を考えよう」――そんな決意が芽生えます。
 私の病苦は、こうした「人間の進化」に至る為の過程として、天から与えられた最大の贈り物なのだ――私は心から、そう思っています。

【お知らせ】体調不良、および多忙の関係で、コメントのレス・承認が遅れております。申しわけございません。

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コメント
辛いですね
うちの彼女(同棲3年目)も似た症状があります。
少しは良くなってきたようですが、本人も無理をするタイプなので、今日も風邪で38度くらい熱があると言うのに仕事に出てたり・・・
やはり、倒れて救急車で運ばれたり、近くの友達を呼んで助けて頂いたり。
私が直接出来ないのは残念ですが、助けてくれる友達が居てくれて在り難い限りです。

お体には気を付けて静養なさってください。
コメントレス等はお気になさらず。
無理せず、マイペースに生きたいですね♪
(*^-^*)ノシ
2009/10/24(土) 01:27 | URL | Fam #-[ コメントの編集]
救急受け入れ問題FAQ
救急医療の現実を扱った動画があります。
ご覧になってみて下さい。

NEWS ZERO「救急崩壊」1日目
患者を断らざるを得ない「受け入れ不能」の実態。
http://www.youtube.com/watch?v=Bua7R0bQioo

NEWS ZERO「救急崩壊」2日目
経営不振で「2次救急」が次々と撤退、「2次救急」レベルの患者が「3次救急」へ…。
http://www.youtube.com/watch?v=sQ7ufv7bfzM

NEWS ZERO「救急崩壊」3日目(1/2)
夜間救急に多数の患者が押し寄せパンク状態、その多くが、救急医療が不要な「軽症患者」。
http://www.youtube.com/watch?v=akEbC5khXKE

NEWS ZERO「救急崩壊」3日目(2/2)
「私たちの病院を守ろう」と立ち上がった市民。
http://www.youtube.com/watch?v=8VQlgK3UgQQ

上の動画をもとにして書いた記事です。読んでみて下さい。

救急受け入れ問題FAQ
http://krtsan.jugem.jp/?eid=146
2009/10/24(土) 10:16 | URL | 都筑てんが #D5O/1XSs[ コメントの編集]
Re: 辛いですね
私も今日、またもや熱があがってしまって――(苦笑)。この悪天候の中、全身びしょ濡れになった後、電車内で殺人的な冷房に冷やされたのが原因と思われます(T_T)。
病院で点滴うってもらい、微熱台までは下がったものの……まだしんどいです。でも、「やらなくちゃならん」ことはやらなくちゃならんので、頑張りますv
Famさんの彼女さんも、きっと責任感の強い方なんでしょうね☆
2009/10/26(月) 23:32 | URL | 篠崎由羅(しのざきゆら) #-[ コメントの編集]
貴重なご意見、誠にありがとうございます。
都築てんが様

初めまして。貴重な情報を誠にありがとうございます。
動画の方は、私のPCがちょっと古い関係で見られなかったのですが(しかも、新しく買ったノートPCはお茶を零してまさしく救急状態に……)、時間がある時にでも確認させて頂きます。

都築さんの「医療問題」について扱っている記事、拝見いたしました。
医療問題については、一言で括れない難しさがあることを痛感します。
しかし、結局は「医療倫理」という問題に辿り着くのではないか――そのようにも思います。
そうは言ったところで、「じゃぁ、イチから医者の倫理観や、これから医者になりたいという人達の倫理観、社会の体制をすべて変えられるか」といえば、そんな簡単にいく問題ではないでしょう。
しかし、私が目指している活動はまさに「そこ」にあって、「今起きている、医療、教育、企業倫理、様々な諸問題は、すべて『私達の意識状態に原因があるのではないか』」ということを探究することにあります。

救急問題そのものに関しては、地域の自治体の問題、医師不足、医師の倫理観、またタクシー代わりに使う患者のマナー低下など、縦横無尽に絡み合っているので一口に解決は出来ません。
しかし、そこに向き合って「根底にある問題とは何だろう」――そこを掘り下げていくことこそが、今の複雑な時代に生きている私達の使命であると、そう実感しています。
都築さんの活動は、そうしたことを「医療」について掘り下げてされているようにお見受けしました。
是非、これからも重要なご意見の提供をお続け下さい。陰ながら応援しております。
2009/10/26(月) 23:40 | URL | 篠崎由羅(しのざきゆら) #-[ コメントの編集]
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プロフィール

篠崎由羅(しのざきゆら)

Author:篠崎由羅(しのざきゆら)
1970年生。幼少期から哲学・宗教学に造詣を深める。思想および思想史、それに付随した国際事情に興味を抱いて独学を続け、大学ではインド哲学科専攻。東西問わず、両者の思想に渡り研究を深める。

現在は看護師として施設で勤務しながら、その傍らで執筆活動を続けている。2016年11月にYOU are EARTH改め「WE are EARTH」の活動を再始動予定。より良い未来の地球のため、全力を尽くす誓いをたてている。

【篠崎編集担当】


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