【1】「何」が世界を狂わせたのか―犯罪編―

 このブログでも何度も書いてきたことですが――今の時代、誰もが「正しい」という自覚の中で「生きていない」のではないかと、そんなふうに思います。
「何かがおかしい」「何かが、間違っているのでは?」そう感じている人は、多いのではないでしょうか?

 でも、「何が原因」で、「どうすればいいのか」がわからない。

 ただ「反対」することであれば、誰でも出来ます。
「○○、反対~!」。新しい改革案が出れば、矛盾点をついて「反対~!」。
 じゃぁ、それに変わる代替案を出せばいいのに――反対だけして「終わり」。
 そういう人々はきっと、「代替案が出せない」のではなく、「出しても変えられないこと」を知っているのではないか――そんなふうに思う時もあります(ま、中にはただのクレーマーみたいに、闇雲に反対するだけの人もいるかもしれませんが)。

 一体、「何」が世界を、人類を、こんなふうにしたのでしょう?

 以前、「三次元と高次元の差」について記事にしましたが、今回はシリーズとして「三次元の何がおかしいのか」について、掘り下げてみたいと思います。

――――――――――
「何」が世界を狂わせたのか―犯罪編―

 「死刑廃止論」が日本で言われるようになってから、かれこれ10年近く経とうとしています。これについては未だ議論が分かれており、日本の司法における明確な方向性は出されていません。
 しかし、アメリカなどは先んじて死刑廃止について論じており、先日もこのような記事がありました。

 【米で執行失敗 薬物注射2時間で18回】
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091025-00000073-mai-int

 また、中国ではこのような記事もあります。

 【犯罪者に人権なし? 現代版「市中引き回しの刑」】
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091027-00000011-rcdc-cn

 中国の「市中引き回し」については、私の知人が中国に長く留学していた関係で、直接聞いていました。何省に留学していたかは、ちょっと思い出せないのですが――聞いたのはかれこれ10年前の話だったので、「ああ、未だにそうなんだ」と、改めて思った次第です。

 こうした世界的な視点における「罪を犯した人達への対応」というのは、ある種、日本における立場を模索する意味でもすごく重要だと思えるのです。

「じゃぁ、あなたはどちら側の意見なの?」と聞かれたら――はっきり言ってしまえば、「死刑廃止論者」です。
 理由は、「私達人間が、罪を断ずることは出来ない」――罪を断ずるのは、宇宙であり、真理(神)でしかない――そう思うからです。
 私達があえて罪を断ずることをせずとも、必ずや真理はそれを見抜いている。(大体、そんなことを言ったら「時効」によって泣き寝入りした人達の哀しみは、一体どうなるのでしょう? 必ずしも容疑者を逮捕出来ることが、遺族達にとっての哀しみを癒すことに繋がるでしょうか? そうだとしたら、時効でそのままになってしまった遺族ほど、気の毒な方はいないでしょう。)

 勿論、私だって「人の子」です。目の前で愛する者が殺されたら、命を弄ぶように殺されたら、感情が掻き乱され、憎悪に駆られるだろう――そう実感します。只でさえ血の気の多いタイプ故(苦笑)、自分がどうなるかなんて後先考えず、その場で犯人に襲いかかるかもしれません。

 でも――。
 それで相手を殺しても……失われた命は「戻ってこない」のです。

 こんな印象的な記事がありました。掲載は「2008年12月13日 読売新聞」です。
 以下、転載します。

――――――――――――――――――――――
最初は終身刑望んだ母「やっぱり犯人の命をください」  
2008年12月13日7時32分配信

「終身刑を望みます」  
娘を殺害した犯人が逮捕された直後、どんな刑を科してほしいかと捜査官から尋ねられ、久保田博子さん(51)はそう答えた。  

2004年12月12日夜、福岡県飯塚市で一人暮らしをしていた三女の奈々さん(当時18歳)が、アパートへ帰る途中、近くの公園に引きずり込まれ、絞殺された。翌日、離島の的山(あづち)大島(長崎県平戸市)から駆けつけた博子さんと夫の寿(ひさし)さん(52)が対面したのは、今まで見たこともない、苦しげな顔をした奈々さんだった。
 3か月後、土木作業員の鈴木泰徳被告(39)が強盗殺人容疑などで逮捕され、わずか1か月余りの間に福岡県内で奈々さんら3人の女性を殺害したと自供した。
「死刑は当然」と寿さんは考えていた。しかし、博子さんはそう思えなかった。       

◆  奈々さんが難病の膠原(こうげん)病にかかっているとわかったのは、声優になる夢を抱いて島外の高校に進学して間もなくのことだ。入院施設のある養護学校に入り直した。一日80錠の薬の影響で顔は腫れ、大好きだった甘い物も食べられなくなった。  娘を見舞うため、養護学校を訪ねた博子さんは、車いすで懸命に教室に通ってくる筋ジストロフィーや心臓病などの子供に出会う。いつも自分の死を見つめているように感じられた。
 「私は絶対に膠原病を治して、声優になって、重い病気の人を励ましたい」。ある時、そんな決意を明かした奈々さんは04年春、病が癒え、卒業する。だが、仲が良かった難病の男子生徒はその後、亡くなった。
 「長くは生きられないことがわかっていても、悲観することなく懸命に生きていた。そんな子供たちを見て、生きていける命をほかからの力で奪うことに抵抗を感じていました」と、博子さんは言う。           

◆  鈴木被告は幼い2人の子供がいながら、パチンコや酒で借金を重ね、ストレスをためた末、乱暴目的で一人歩きの女性を探し、偶然見かけた奈々さんを襲った。しかし、福岡地裁の法廷では捜査段階で認めた殺意を否認し、「生き続けて、若い人たちに犯罪に走るなと伝えたい」などと訴えた。
 「何でうちの娘を」。傍聴席で、博子さんは叫びたい衝動を何度もこらえた。養護学校を卒業後、手に職をつけるため、飯塚市内の歯科技工士の専門学校に入学した娘は、事件の3週間前に会った時、「今の学校は楽しいけん。ここに来て本当によかった」と笑顔で話していた。クリスマスには思い切りケーキを食べさせてあげたかったのに。
 06年3月9日の第8回公判。博子さんは意見陳述に立った。当初は死刑でなく終身刑を求めた気持ちから話し始めたが、途中から抑えていた感情があふれ出た。
 「私たちは成長した奈々に会えないのに、犯人はさも罪を償っていましたと言わんばかりに、大きくなった我が子に会える。嫌だ、それだけは許さない……。私の心はどこまで醜くなるのでしょう。やっぱり犯人の命をください……」           

◆  12日、今年の命日の夜を、両親は島の自宅で迎えた。地裁、高裁でともに死刑判決が出た鈴木被告は今年2月、最高裁に上告した。  「罪のない子供が親に会えないことを願うなんて、おかしいと自分でも思う。でも、もし被告が無期懲役になることを考えると……」。博子さんは声を震わせた。
 「命の大切さを分かっている妻は、犯人の死を望む自分を責めてきました。こんな思いをする家族をもう出さないためにも、落ち度のない人を殺せば死刑だということを示すしかないと思います」。寿さんは語った。

 (連載「死刑」第2部「かえらぬ命」第3回) より
――――――――(転載以上)――――――――――――


 私はこの記事を、涙なくして読めませんでした。
 しかし、このお母さんが犯人の死刑によって「本当に癒されたか」「本当に苦悩から解放されたか」と言えば――そうじゃないだろうと思います。遺族の方々の苦悩は、その苦悩を体験した者にしか語れない「絶対的な苦悩」だと、私はそう思います。

 ならば、どうすれば解決するのか?
 重罰化?
 それとも、犯人を「同じ目にあわせる」こと?
 いえ――本当の解決法があるのだとしたら、

「社会全体が、『犯罪のない』社会となる」

 これしかないのだと、私には思えるのです。
 また同時に、「魂は永遠であり、どんなに理不尽な死であったとしても、その魂が純粋でかつ罪に穢れていなければ、必ずや救われるのだ」ということを、もっと多くの人に知って欲しい。
 この記事に書かれている奈々さんの死は、本当に痛々しいものでした。しかし、純粋な魂で善良な霊を、宇宙が、高次が「見捨てるはずなどない」のです。
 どんなにこの世で悲惨な死を遂げたとしても、その人が善良であればある程、その死は「終わり」ではなく、「永遠の生の始まり」であることを、もっと多くの人に知って欲しい。

 それこそが、本来「スピリチュアリズム」の目的なのではないでしょうか?
 ただ「天使と繋がれます」とか、「守護霊さまは誰々ですよ~」なんて教えるのではなく、「現実社会の痛みを知り、その中で悶え苦しむ人達に真理――魂は不滅であるという真理を伝えてあげることこそ」が、本当の「スピリチュアリズムの役目」なのではないでしょうか?

 また、そうした個々人の「スピリチュアル」の目覚めだけでなく、同時に「社会システムの改革」も進める必要性があることを私は痛感しています(私の立場は、どちらかと言えばこの「システム改革側」です)。
 外的な法則や拘束などで、もう犯罪は抑制出来ない――誰もがそう、分かっているはずです。 一時期、犯罪の低年齢化、および未成年者の犯罪防止、猟奇的殺人の防止故に「重罰化」を唱えた意見が数多くありました。
 しかし、罰が犯罪を抑制するわけではありません。「死刑になりたくないから、人殺すのや~めた」なんて、そんな簡単な問題のわけはありません。(それどころか、昨今は「自殺したかったけど出来ないから」という理由で、死刑を望む人達もいます。)

 何故、このような「犯罪」に至る経緯があったのか――。
 それは明らかに、「現代社会のひずみ」が原因です。
 ひいては、今までの社会の積み重ね――物質化社会、戦争、あらゆる「歴史の積み重ね」が、今の「現代社会問題」に通じているのです。
 個々人に罪があるのではなく、社会全体に問題があり、今の社会に通じる「歴史」に問題があったからこうなってしまったのだと――私は痛切にそう感じます。

 それはひとえに、勝者・敗者という二律背反。支配者・被支配者、富裕層・貧困層などの二極化――ここに原因があったのだろう、そう思います。
 私達の根底は、ひとつの生命エネルギー「地球というエネルギー」に紐づけられていること、決して誰もが無関係ではなく、目に見えなくても「必ず関連し合っている」ということに気づけば、いつか社会は変わっていくのかもしれない。

 明日、誰かが悲痛な死を遂げ、誰かが、残虐な殺人者となったとしたら、
 悲痛な死を遂げたのは「自分」で、残虐な殺人者となったのも「自分」なのだ――。
 そんな視点に立つことで、もっと「犯罪に対する考え方」が変わるのかもしれない。そんなふうにも思います。

 この問題については、今後も掘り下げていきたい――そう思っている問題です。

【関連記事】
法律のない世界 
高次元と三次元の「差」 

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篠崎由羅(しのざきゆら)

Author:篠崎由羅(しのざきゆら)
1970年生。幼少期から哲学・宗教学に造詣を深める。思想および思想史、それに付随した国際事情に興味を抱いて独学を続け、大学ではインド哲学科専攻。東西問わず、両者の思想に渡り研究を深める。

現在は看護師として施設で勤務しながら、その傍らで執筆活動を続けている。2016年11月にYOU are EARTH改め「WE are EARTH」の活動を再始動予定。より良い未来の地球のため、全力を尽くす誓いをたてている。

【篠崎編集担当】


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