昨日、たまたまテレビをつけたらNHKの「クローズアップ現代」が放映されていました。取り上げられていたのは「ドイツ」。ベルリンの壁崩壊後についての放映でした。
ベルリンの壁が崩壊したあの日の映像を、未だに憶えている方も多いのではないでしょうか。私はその時19歳でしたが、それでも非常に印象的な場面でした。「世界が今、大きく変わった」――そう実感せずに、いられなかった程です。
十代~二十代の方には、それがどれほどのことかあまりピンとは来ないかもしれません。
ひとつの国を妨げる壁というのは、すごく「大きな意味」があったのです。例えば今、「韓国」と「北朝鮮」がひとつになったら――驚くでしょう? それぐらいの重さがあったのです。
壁の撤去後は、壁の破片を記念に持ち帰る人も大勢いました。「新時代の幕開け」――誰もがそう思いました。時代はちょうど、ソ連でゴルバチョフ元大統領が「ペレストロイカ」を唱えていた頃でした。冷戦が幕を閉じ、新たなる時代が到来する――そう感じた人も多かったに違いありません。
しかし、現状はどうやら「異なっていた」ようです。
番組の中で、「元東ドイツ」の人々の生活が放映されました。確かに、彼らは見た目普通の人々のようでした。しかし、実際には「西ドイツ」との統合により、資本主義という競争システムが押し寄せたが為に東ドイツで倒産した会社は少なくなく、西ドイツと東ドイツにおける「格差」は言いようのないものでした。
元東ドイツの大人達は、「かつての生活の方が良かった」と言う人も増えてきて、それを子供達にそのまま伝えている為に、「東ドイツが共産主義国家だったことを知らない子供」が50%近くにのぼるそうです。
また逆に、連帯税(東ドイツの人々の生活を維持する為の税)の負担をなくして欲しいと望む元西ドイツの人々の声は7割にあがっているとか。
勿論、そうした「悪い面」ばかりではないはずです。ドイツが統一したことで、自由を満喫し、「壁がなくなって良かった!」そう思っている人達もいることでしょう。しかし、「すべてがすべて、そうではない」ということを、私達は学ばなければならない――そうも思いました。
自由とは、一体「何」なのでしょうね?
私は小学五年生の時、「自由と責任」という作文を書いて、表彰されたことがありました。
その内容は、「自由というのは決して『何をしてもいい』というものではなく、『自己責任』においての範囲で行われるべきものだ」というものでした。
東ドイツの人達は、共産主義という「国家システム」にまったく依存してしまっていたのでしょう。元東ドイツの少年が言った言葉は、とても印象的でした。
「東ドイツの方がいい国だよ。だって、仕事がなければ、国が探してくれたもの」
自由って、「何でもかんでも、手放しで生きられる」という意味ではありません。「自己責任」においてなされるべきものなのです。その辺りの覚悟が、元東ドイツ国民の人達にも、必要だったのかもしれません。
「ベルリンの壁崩壊」は、民衆の力によって引き起こされたに近い状態でした。それは、抑圧されてきた人々が「自由」を求めて革命を起こすのに近い構図を感じさせます。
しかし、そこにあったのは「自由を求める力だけ」で――残念ながら、その先の「未来の青写真」というのは、なかったのかもしれません(私が繰り返し、
「アセンションが目的なのではなく、『その先の未来を想像し、創造へと至ることが必要なんだ!』と叫ぶ理由」を、この例からも実感して頂けると思われます。)
自由は、「自己責任」によって行われるものです。勿論、だからといって国や共同体が「完全に、個人を無視していい」というわけではありません。
しかし、今の国家はこの「自己責任」という言葉を不用意に使い、「自己責任がとれる程の生活水準に達していない者」までを、突き放します。(九州で、生活保護を受けられなくてなかばホームレス状態を強いられた男性が「行方不明」になった事件は、まさにその典型ですね。その後の続報はいっさいありません。マスコミが興味なくて報道しないのか、はたまた、どこかでそれを報道しないよう抑えているのか――私には分かりませんが。)
何故、三次元ではこうも極論から極論に走ってしまうのでしょうか。
自由とは「責任」において行うべき行為ではあるものの、
だからといって、共同体が「完全に放棄」していいわけではないのに、
どちらか一方に、必ず偏ってしまう。
もし「ベルリンの壁」を壊すのであれば、せめて数年前から「自己尊厳」「自己責任」ということについて、多くの人に意識を伝えるべきだったのだろうと私は思います。
「これから、壁を壊しますよ。そうすると、今まで国を頼ればいいと思っていたシステムはすべて覆り、自らの意識で生きなければなりません。その準備を、今から始めなくっちゃ駄目ですよ」と。
そういう心の準備があれば、もっと違ったのではないでしょうか(とはいえ、人間とは身勝手な生き物だから、その場では「早く自由にしてくれ」という思いばかりが先に立ち、警告なんて耳を貸さないかもしれませんね。だからこそ、民衆の力でそれを撤去した)。
それは感動的な場面でした。
でも、本当に必要なのは「自分たちの意識」なのです。
自由を得た後に、今度は「何をするのか」。
その青写真が出来てないうちに「自由になった」ところで、何の意味もないのです。
ふと、「映画マトリックス」に出てきた「サイファ」を思い出しました。
皆さんは、映画マトリックスを観たことがありますでしょうか? 私は映画が大好きなのですが、あの映画はちょっと暴力的なところ(私は銃の乱射というのが、どうしても苦手なので)があるので「すごく好き」というわけではないものの――それでも、2作目の「リローテッド」や3作目の「レボリューション」は三次元システムに関連する部分がとても多いので、何度か繰り返し観ています。
この映画は、「マトリックス」という仮想世界に繋がれた人々の中から、自発的に目覚めた人達が「本当の自由」を勝ち取ろうとして闘っている、という内容です。
しかしとても教訓深いのは――「望んでマトリックスを出たにも関わらず、それを後悔し、再びマトリックスに戻りたいと願う人もいた」ということです。
それが、「サイファ」です。(1作目)
彼は、マトリックスを出たことを悔いて、「マトリックスに戻らせてもらう」ことを条件に、自分の仲間を裏切ります。その彼が言った言葉が、とても印象的でした。
「『無知』は幸福だ」
システムに依存していた者にとって、自覚的意志と自律心を持つのはとても辛いことなのかもしれません。それは、「使ってない筋肉を使う感覚」に近いのかもしれない。
仮にそれで言うなら――日本人は、決して元東ドイツの人達を他人事として笑えないでしょう。私達は決して、自立した生活を送っているわけではありません。勿論、アメリカもそうです。いえ――今の世界で「自立している」と言えるのは……世界から発見されていないシャーマニズムの文化ぐらいなものでしょう。
ほとんどの国が、「初めから構築されたシステム」に依存して、生きています。それに慣らされ、思考力を弱められ、生きる力を失わさせられる。
それを思った時。
私は、「アセンションの呼びかけ」というのは、「まさに、そこにあるのではないか」と思わずにいられませんでした。
私は、資本主義を「いいシステムだ」なんて思ってはいません。それどころか、ダーウィズム的競争論の果てにある弱肉強食の世界だと、そう思っています。
勝ち組だの負け組だの、そんな二元論に陥るぐらいなら、私は喜んで「負け組」に入ることを選ぶでしょう。
でも、だからといって、必ずしも「共産主義国家から解放された元東ドイツの人達」に完全に否がないかと言えば――そういうわけではない。彼らは不当な差別や、理不尽な行為を受けたかもしれない。
しかし、「それを意識で乗り越えること」も可能なのではないかと、そうも思えるのです。
仮にアセンションがあったとしたら、私達に訪れる「解放」は、共産主義国家からの解放とは比にならないぐらい、大きなもののはずです。
その時、私達は一体どうなるのでしょう。
さなぎを脱ぎ捨て、華やかに蝶として舞えるのか、それとも、中途半端な幼虫状態でそのまま朽ち果てるのか――。
それを選ぶことこそが、「今の私達」に課せられた課題なのかもしれません。
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